Q.最低賃金が引き上げられるそうですが、月給制の社員についても確認が必要ですか?

A.はい。月給制の社員も、給与を「時間額」に換算して最低賃金以上になっているか確認する必要があります。

岡山県の最低賃金は現在、時間額1,047円です。さらに令和8年度は57円引き上げ、1,104円とする答申が出されており、答申どおり決定された場合は令和8年10月2日から適用される予定です。
(「必ずチェック最低賃金」)

最低賃金というと、パート・アルバイトの「時給」だけを確認すればよいと思われがちですが、月給制の社員についても注意が必要です。

岡山県の現在の最低賃金と、令和8年度の改定予定額を入れ、**「月給18万円なら今はクリアしていても、改定後は不足する」**という具体例を中心にしました。
なお、2026年8月31日時点では1,104円は答申段階で、2026年10月2日発効予定です。 (岡山県最低賃金57円引上げを答申【昨年に次ぐ過去2番目の引上げ額・率】)

■月給制は「1時間あたり」に換算する

月給制の場合は、原則として次の計算式で時間額に換算します。

月給額×12か月÷年間所定労働時間

例えば、最低賃金の計算対象となる給与が月額18万円、年間所定労働日数250日、1日の所定労働時間8時間の場合、「180,000円×12か月÷(250日×8時間)=1,080円」となります。

現在の岡山県最低賃金1,047円であればクリアしています。

ところが、最低賃金が1,104円になると、「1,080円<1,104円」となり、最低賃金を下回ることになります。

このケースでは、10月の改定までに賃金の見直しが必要です。

■「総支給額」で判断しない

もう一つ注意したいのが、給与明細の総支給額をそのまま使うわけではないことです。

最低賃金を確認するときには、次のような賃金は計算から除外します。

・精皆勤手当
・通勤手当
・家族手当
・時間外、休日、深夜労働の割増賃金
・賞与など1か月を超える期間ごとに支払う賃金
・結婚手当など臨時に支払う賃金

例えば、基本給17万円、職務手当1万円、通勤手当1万円、時間外手当2万円で総支給額が21万円だったとしても、最低賃金の確認に使えるのは原則として基本給と職務手当の18万円です。

「総支給額が20万円を超えているから大丈夫」と判断しないよう注意しましょう。

■改定前に全社員を確認しましょう

年間所定労働時間が2,000時間の会社の場合、最低賃金1,104円を月額に換算すると、「1,104円×2,000時間÷12か月=184,000円」となります。

つまり、最低賃金の計算対象となる月給が18万円程度の社員については、特に確認が必要です。

また、業種によっては岡山県の地域別最低賃金ではなく、鉄鋼業、自動車・同附属品製造業などの「特定最低賃金」が適用される場合もあります。

まとめ

・パート・アルバイトだけでなく、月給制の社員も確認する
・通勤手当や時間外手当などを除いて時間額を計算する
・最低賃金に近い社員については、10月までに賃金の見直しを検討する

今回の引上げでは、これまで最低賃金を上回っていた月給者が、新しい最低賃金を下回るケースも考えられます。「時給者だけを確認する」のではなく、全社員の給与を一度時間額に換算して確認することをおすすめします。

※令和8年度の岡山県最低賃金1,104円は、2026年8月31日現在、岡山地方最低賃金審議会の答申額です。答申どおり決定された場合、令和8年10月2日からの発効が予定されています。