いわゆる「日本版DBS」を導入するこども性暴力防止法が、令和8年(2026年)12月25日に施行されます。
こども家庭庁は、学校や保育所などの義務対象事業者が施行までに最低限実施すべき事項をまとめた「準備ガイド」を公表しました。施行まで約2か月となり、就業規則の見直しなど時間を要する準備もあるため、主なポイントをご紹介します。
■従事者への周知と対象範囲の確定
施行後は、こどもと接する業務に就く方について、専用システム(こまもろうシステム)を通じた性犯罪前科の確認が必要になります。
前科がある場合は、こどもと接する業務に就くことができなくなります。
現職者も施行後3年以内に確認が必要なため、制度の内容や研修の受講、マイナンバーカードの準備などを、あらかじめ従事者に周知しておきましょう。
また、確認の対象となる従事者の範囲を決める必要があります。教員や保育士は必ず対象となり、事務職員や送迎バスの運転手などは、支配性・継続性・閉鎖性の3要件を満たす場合に対象となります。雇用形態を問わず、短期間の労働者も含まれる点に注意が必要です。
■就業規則と採用手続の見直し
懲戒処分を行うには、あらかじめ就業規則に懲戒事由等を定め、周知しておくことが必要です。ガイドでは、就業規則に記載する事項として次の例が示されています。
- 対象業務従事者の範囲
- 児童対象性暴力等及び「不適切な行為」の禁止
- 犯罪事実確認の手続に応じる義務
- 試用期間の解約事由、懲戒事由
「不適切な行為」とは、こどもとSNSで私的にやり取りするなど、性暴力につながるおそれのある行為をいい、現場の従事者と話し合いながら範囲を決めることが求められます。
さらに、内定者に性犯罪前科が判明した場合の内定取消しを有効とするため、採用過程で性犯罪歴がないことを書面で確認する、内定取消事由を明示するなど、募集要項の見直しも必要です。
■安全確保措置と情報管理体制の整備
性暴力の疑いが生じた際の報告・対応ルールの策定と周知、事業者内の相談窓口の設置と外部相談窓口の周知、従事者向け研修の計画策定・実施が義務付けられています。研修には、こども家庭庁の標準動画等を活用できます。
また、性犯罪歴という機微な情報を扱うため、情報管理規程を作成し、取扱者を必要最小限に限定するなどの体制整備が必要です。情報をみだりに漏らした場合は、刑事罰や損害賠償請求の対象となり得ます。
【まとめ】
- 施行後は従事者の性犯罪前科の確認が必要となり、対象範囲の確定と従事者への周知が求められる
- 就業規則に不適切な行為の禁止や懲戒事由を定め、採用時の確認手続も整える必要がある
- 報告・対応ルール、相談窓口、研修、情報管理規程の整備が義務付けられている
施行後は年1回の定期報告が必要となり、措置が不十分な場合は公表や是正命令、刑罰の対象となることもあります。まずはガイドのチェックリストで準備状況を確認し、就業規則の改定など時間のかかる事項から早めに着手しましょう。
出典:こども家庭庁「こども性暴力防止法施行(12月25日)に向けた義務事業者用準備ガイド Ver.1.1」
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