株式会社マイナビが、2027年卒業予定の大学生・大学院生を対象とした「2026年度(2027年卒版)新卒採用・就職戦線総括」を2026年10月2日に公表しました。
学生の就職活動の進め方や、企業の採用・待遇面の動きがまとめられています。
今回は、中小企業の採用活動にも参考になるポイントを3つご紹介します。
■少数の企業を深く知る「ピンポイント就活」が継続
2027年卒の学生は、低学年のうちからキャリア形成活動を通じて企業を知り、少数の企業に絞って応募する傾向が続きました。内々定保有社数は平均1.67社で、1社の内々定で活動を終えた学生は62.8%でした。
一方、複数の内々定を得た学生の52.6%は、入社予定先の内々定が他社より後に出たと回答しています。内々定はゴールではなく、そこから企業を比べて「納得できる1社」を選ぶ動きがみられます。
学生が「なぜこの会社なのか」を自分の言葉で説明できるよう、企業側も情報提供の機会を工夫することが求められます。
■就職活動でのAI利用は8割超に
就職活動でAIを使ったことがある学生は84.9%と、前年から18.3ポイント増えました。
主な使い方は次のとおりです。
- ESの推敲(71.8%)
- 面接対策(56.2%)
- ESの作成(55.0%)
- 自己分析(54.2%)
企業側でも、学生の生成AI利用を「実感がある」と答えた割合が61.4%となり、前年から30.8ポイント増えました。
整った書類だけでは学生の人柄や考えが見えにくくなっており、面接や職場見学など直接話す場の重要性が増しています。
■初任給の引き上げは約9割、手当や休暇でもアピール
2027年卒の採用に向けて初任給を引き上げた企業は89.1%で、上場企業85.4%、非上場企業89.4%と、規模を問わず引き上げが進んでいます。
初任給以外に学生へアピールしている待遇は次のとおりです。
- 諸手当(49.8%)
- 住宅手当や借り上げ社宅(46.1%)
- 休暇制度(44.6%)
非上場企業では「諸手当」が51.1%で最も高く、賃金額だけでなく手当や休暇を含めた総合的な待遇で魅力を伝える動きが広がっています。
【まとめ】
- 学生は少数の企業に絞って応募し、内々定後も比較・検討して納得できる1社を選ぶ傾向にある
- 就職活動でのAI利用は8割を超え、企業の6割が学生の利用を実感している
- 初任給の引き上げは約9割の企業で行われ、手当や休暇制度でのアピールも広がっている
採用予定の企業は、初任給や手当が相場に見劣りしていないかを確認するとともに、既存社員との賃金バランスや賃金規程も見直しましょう。
また、職場見学や社員との面談など、学生が納得して入社を決められる機会を設けることが大切です。
