従業員が家族を扶養に入れるとき、または扶養から外すときに提出する「健康保険被扶養者(異動)届」。日本年金機構は、この届書で不備や誤りの多い事例を公表しています。
不備があると、一度受け付けた届書が返され、再提出の手間がかかります。
今回は、特に注意したいポイントを3つに整理してご紹介します。
■添付書類は「省略の条件」と「種類」に注意
続柄の確認には、戸籍謄(抄)本または住民票の写し(被保険者が世帯主で同一世帯の場合に限る)が必要で、コピーは使えません。
ただし、次のいずれにも該当すれば省略できます。
- 被保険者と扶養認定を受ける方の双方のマイナンバーが届書に記入されている
- 事業主が続柄を確認し、備考欄の続柄確認済みにレ点を入れている
収入の確認も、所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを事業主が確認し、事業主確認欄の「確認」を○で囲めば、原則として書類を省略できます。
このレ点や○の漏れが不備の原因になっています。
また、収入確認書類として源泉徴収票を添付する誤りも多く見られます。退職の場合は退職証明書や離職票の写しなど、状況に応じた書類が必要です。
■記入漏れが起こりやすい4つの欄
記入漏れが多いのは次の欄です。
- 個人番号:原則マイナンバーを記入する。記入がないと再提出になる
- 収入(年収):今後1年間の見込額を記入する。収入がなければ「0円」と書く
- 住所:同居・別居を○で囲み、住民票上の住所を部屋番号まで記入する
- 氏名:配偶者である被扶養者のフリガナを記入する
年収には、障害年金・遺族年金・失業給付などの非課税収入も含みます。これらがある場合は、受取金額のわかる通知書等のコピーも必要です。
■別居の場合の書類と「理由」の選び方
被保険者と別居している家族を扶養に入れる場合は、仕送りの事実と金額がわかる書類(通帳の写し、振込明細書、現金書留の控えなど)を添付し、1回あたりの仕送り額を備考欄に記入します。16歳未満の方と16歳以上の学生は添付不要です。
また、「被扶養者になった理由」「被扶養者でなくなった理由」の選択誤りも挙げられています。「離職」と「収入減少」、「就職」と「収入増加」など、実態に合った理由を選び、「その他」の場合は詳細を記入します。
【まとめ】
- 続柄・収入確認の添付書類は省略できる場合があるが、レ点や○の記入が漏れると不備となる
- 個人番号、年収、住所、フリガナは記入漏れが多く、年収には非課税収入も含める必要がある
- 別居の場合は仕送りを確認できる書類が必要であり、異動理由は実態に合わせて選択する
届出の前に、従業員から家族のマイナンバーや収入、同居・別居の状況を聞き取り、必要書類をそろえておくことが大切です。提出前には、確認欄のチェックと記入漏れがないかを必ず見直しましょう。
