今年も暑い夏が予測されます。
実は、気温が高くない5月・6月の時期から熱中症による救急搬送があります。
暑熱順化といって、暑さに慣れていないことが原因と言われています。
そのため熱中症対策は、今から行っておくことが大切です。

■ 熱中症は「本人の不注意」では済まされない時代へ

毎年夏になると、職場での熱中症による死傷者が後を絶ちません。
「水分を取るよう伝えていた」
「本人が大丈夫と言っていた」
そのような対応では、十分といえません。

令和7年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、一定の暑熱環境下での作業(WBGT28度以上または気温31度以上で、1時間以上・1日4時間超の作業が見込まれる場合)においては、

  • 報告体制の整備
  • 重篤化を防ぐ手順の作成
  • 関係作業者への周知

が事業者に義務付けられています。
熱中症対策は、会社が組織として取り組むべき法的義務です。
今一度、法令の内容を確認しましょう。

■ 現場で命を守る3つの行動原則

厚生労働省が作成した「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」で強調されているのは、「早く気づく・すぐ止める・一人にしない」という3つの原則です。
「手足がつる」「立ちくらみ」「ぼーっとする」「呼びかけへの反応が鈍い」など、「いつもと違う」と感じたら熱中症を疑い、ただちに作業を中断させることが必要です。
意識状態が悪い場合はすぐに119番通報し、救急車が来るまで水をかけて全身を急速冷却します。
「平熱だから大丈夫」「車の中で休ませておけばいい」といった判断が、最悪の事態を招くことがあります。
発症したときに誰が何をするか、手順を事前に決めて全員に周知しておくことが、重篤化防止の鍵です。

■ 会社として整えるべき「仕組み」とは

対策の本質は、個人の努力に頼らず、会社として仕組みをつくることです。
具体的には、タイマーを使ったこまめな休憩の義務化、横になれる休憩場所と冷却グッズの準備、水分・塩分補給の徹底、管理者による定期的な現場巡回などが挙げられます。
また、入職直後や長期休暇明けの従業員は暑さに慣れていないため、作業時間を短くし休憩を増やす「暑熱順化」への配慮も必要です。
異変を申し出やすい職場の雰囲気づくりも、対策の一つです。
現場マニュアル、各種規程とあわせて、今夏前に体制を整えておきましょう。

【まとめ】

  • 令和7年6月より、一定の暑熱環境での作業において、報告体制・対応手順・周知が事業者に義務付けられています
  • 発症時は「すぐ119番・急速冷却・一人にしない」を徹底し、対応手順を事前に全員へ周知しておくことが重篤化防止につながります
  • 休憩・水分補給・冷却グッズの準備など、個人任せにせず会社として仕組みで対応することが求められます
  • 参考:厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」