Q.育児休業と産後パパ育休(出生時育児休業)は、どう違うのでしょうか?
A.両者は「目的・取得期間・柔軟性」が異なる別制度であり、法令上の要件を満たせば、同じ従業員が両方取得することも可能です。

■ 制度の目的と取得期間の違い

育児休業は、子どもが1歳になるまで(一定の要件を満たす場合は最長2歳まで)育児に専念するための比較的長期の休業制度です。
原則として子が1歳になる前日まで取得でき、保育所に入れない等の事情があれば、1歳6か月、さらに2歳に達するまで延長できる場合があります。
育児休業は、女性に限らず、男性も取得できます。

一方、産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもの出生直後8週間以内という、とくに支援ニーズが高い時期に、父親等が柔軟に休みを取れるようにした短期・柔軟型の制度です。
8週間以内の期間において、最長4週間(28日間)まで取得できます。

■ 分割取得と申出期限・就業可否の違い

育児休業は、子が1歳になるまでの期間について原則2回に分けて取得できます。
申出期限は、休業開始予定日の1か月前です。

育児休業中の就業は原則認められていませんが、例外として、労使の合意のもとで、子の養育に支障のない範囲で一時的・臨時的に就労させることが認められる場合があります。
※恒常的・定期的な就業は認められません。

産後パパ育休は、最長4週間(28日間)までの期間を最大2回に分割して取得することが可能です。
この場合、2回分をまとめて事前に申し出ることが必要であり、分割の2回目を後から別途申し出た場合、会社はその申出を拒否することができます。

申出期限は原則として休業開始予定日の2週間前とされており、育児休業に比べて短めに設定されています。
また、会社があらかじめ労使協定を締結している場合に限り、事前に合意した日・時間については、休業期間中の一部就業を認めることができます。

■ 両制度の組み合わせと注意点

二つの制度は法令上別枠の制度であるため、両方を取得することで、原則として最大4回(産後パパ育休2回+子1歳までの育児休業2回)に分けて休業を組み立てることができます。

なお、育児休業については、既に1歳までの育児休業を2回取得した後に、さらに1歳までの育児休業を申し出る場合には、「特別の事情」がある場合に限り、再度の申出が認められる仕組みになっている点に注意が必要です。

出生後8週間以内の期間については、「出生時育児休業(産後パパ育休)」または「育児休業」のいずれかを選択して取得することができ、また両制度を組み合わせて取得することも可能です。
ただし、同じ日に両方の制度を重ねて取得することはできません。

出生後8週間以内に「どちらの制度を使うか」は従業員本人が選択するものであり、会社が一律に決定することはできません。
「産後8週間以内の休業はすべて産後パパ育休とする」といった就業規則や労使協定による一律運用も認められていません。就業規則や社内案内を整備する際は、この点にとくに留意してください。

【まとめ】

  • 育児休業と産後パパ育休は別制度であり、それぞれの要件を満たせば同じ従業員が両方取得できる
  • 産後パパ育休は出生後8週間以内に最長4週間(28日間)取得でき、労使協定があれば、事前に合意した範囲で休業中の部分就業も可能
  • 子の出生後8週間以内の休業について、産後パパ育休と育児休業のどちらの制度を利用するかは従業員本人の選択によるものであり、会社が一律に決定したり、就業規則・労使協定で自動的に区分したりすることは認められない