特定適用事業所・任意特定適用事業所・国や地方公共団体の事業所で働く人のうち、通常の労働者の4分の3未満の働き方であっても、一定の条件を満たせば健康保険・厚生年金保険の加入対象になるとしています(「短時間労働者」といいます)。その短時間労働者の社会保険加入要件のひとつに、「学生でないこと」があります。この「学生でないこと」について教えてください、という質問をいただきました。
※なお、特定適用事業所とは、1年のうち6か月以上、適用事業所の「厚生年金保険」の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことです。
学生は原則として加入対象外
短時間労働者として社会保険に加入するためには、一定の要件を満たす必要がありますが、在学中の学生・生徒は原則として対象外とされています。
(雇用保険の取り扱いと同様です)。
たとえば、高等学校、大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、各種学校などに在学している方は、通常はこの「学生」にあたります。
つまり、週20時間以上働いていて、賃金要件も満たしていたとしても、一般的な昼間学生であれば短時間労働者としての社会保険加入対象にはならない、というのが基本的な考え方です。
学生であっても例外的に加入対象となることも
もっとも、すべての学生が一律に対象外になるわけではありません。
日本年金機構では、次のような方は例外的に加入対象となるとしています。
- 卒業見込証明書を有し、卒業前に就職して、卒業後も引き続き同じ事業所で勤務する予定の方
- 休学中の方
- 定時制課程・通信制課程に在学する方
- その他これらに準じる方(いわゆる社会人大学院生等)
特に実務で混乱しやすいのが、4つ目のその他これらに準じる方(いわゆる社会人大学院生等)です。
短時間労働者の学生については、雇用保険の取り扱いと同様のため、雇用保険法で確認していくことになります。
短時間労働者の学生であることの取り扱いは雇用保険と同じ
日中に学校に行く昼間学生は、原則として雇用保険に加入することはできません。
短時間労働者の学生であることの取り扱いは雇用保険と同じです。
したがって、雇用保険法で確認していくことになります。
以下のいずれかに該当する場合は雇用保険の被保険者となります。
- 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一事業所に勤務する予定の者
- 休学中の者
- 事業主の命により、または事業主の承認を受け(雇用関係を存続したまま)大学院等に在学する者
- 一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、同種の業務に従事している他の従業員と同様に勤務することができると認められる者
この確認が不十分だと、本来加入すべき方を未加入のままにしてしまうおそれがあります。反対に、不要な加入手続きをしてしまうこともあり得ます。
まとめ
採用時や社会保険加入の判定時には、単に「学生かどうか」だけで判断しないことが大切です。
短時間労働者の社会保険加入要件における「学生でないこと」は、「学生は原則対象外、ただし休学中・定時制・通信制・卒業前就職で継続勤務予定の方は例外」
と整理するとわかりやすいでしょう。
パート・アルバイトの採用時は、労働時間や賃金額だけでなく、学生区分の確認も忘れずに行いたいところです。
