Q.割増賃金の計算をするにあたり、「所定休日」「法定外休日」「法定内休日」の違いがよくわかりません。どのように考えたらよいですか?
A.まずは結論からいうと、休日に対する用語がどう呼ばれていても、実務はシンプル。「法定休日か/法定外休日か」 と 「法定労働時間を超えたか」 の2点を押さえれば、割増賃金の計算も迷いにくくなります。
■ 休日の大枠「法定休日」と「所定休日」
法定休日(法律で必須の休日)
法定休日とは、労働基準法上、必ず与えなければならない休日です。
「毎週1日」または「4週間で4日(4週4休)以上」 のどちらかで確保します。
所定休日(会社が決めた休日の総称)
就業規則や労働契約で会社が定める休日全体を指します。
この所定休日の中には、次の2つが“混ざっている”イメージです。
- 法定休日(法定で必ず定める休日)
- 法定外休日(所定外休日ともいう)(会社が任意で追加した休日)
「所定休日=すべて法定休日」ではない点が、まず最初の注意ポイントです。
■ 3つの用語を“実務目線”で考える
割増賃金を計算するうえで、それぞれを分類して考えることは、一つのポイントといえます。
ただし、分類することでわかりにくくなっている面があることも確かです。
実務では、3つの用語がどのように使われているか、まず確認しておきましょう。
(1)所定休日=会社が決めた休日の総称
就業規則や労働契約で会社が決めた休日の総称を指し、この中には、上記の「法定休日」と、それ以外の「法定外休日(会社が任意に増やしている休日)」が含まれます
(2)法定外休日=会社が任意で増やした休日
法定休日ではないけれど、会社が休みにしている日のことです。
たとえば、
- 完全週休2日制で、就業規則上「日曜=法定休日」としている会社では、土曜は法定外休日(所定休日の一部) となる
- 祝日休み、年末年始、お盆、会社独自の公休日 は、 多くのケースで 法定外休日(=所定休日) となる
(3)法定内休日=法定休日とほぼ同じ意味
「法定内休日」は、法律用語として明確に定義されている言葉ではありません。
実務では“法定休日とほぼ同じ意味”で使われています。
- 労基法で必要とされる最低限(週1日または4週4日)として与えている休日
- 法定休日に相当する休日
■割増賃金率の判断は、まず法定休日かどうか
最後に、割増賃金の計算を考えてみましょう。
割増賃金の判断は、次の2つが重要です。
- その日が法定休日か(=休日割増35%対象)
- 法定休日ではない場合、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたか(=時間外25%対象)
よくあるパターン
- 法定休日に出勤 → 原則として、その日の労働が 法定休日労働(35%以上)
- 法定外休日(所定休日だが法定休日ではない)に出勤 → 8時間または週40時間の範囲内なら 割増不要(通常賃金) 、超えているのであれば、その部分が 時間外(25%以上)
「土曜出勤は休日割増35%ですよね?」と聞かれる場面は多いのですが、土曜が 法定休日として定められているかどうか で結論が変わります。
まずは就業規則の“法定休日の特定”ができているか、一度、確認しましょう。
なお、法定休日を決めない場合、1週間のうちで順番が一番後ろの休日が法定休日となります。
このとき、週の起算となる曜日を就業規則などで定めていない場合は、日曜日を起算日とします。
たとえば、週の起算となる曜日の定めがなく土曜日・日曜日が休日の事業所の場合、日曜日から土曜日まですべて労働したときは、週の中で順番が最後の休日である、土曜日が法定休日出勤となります。
まとめ
- まず、「法定休日」と「所定休日」の休日の大枠を捉える
- 「法定内休日」「法定外休日」は、実務上、わかりやすく分類したものだが、かえってわかりにくくなっている
- 用語がどう呼ばれていても、割増賃金の計算はシンプル。「法定休日か/法定外休日か」 と 「法定労働時間を超えたか」 の2点を押さえればよい

