Q.当社は家族経営の小さな事業所です。このたび、同居している息子を従業員として雇い入れることになりました。他の従業員と同じように雇用保険に加入させたいのですが、同居の親族でも加入できるのでしょうか。
A.事業主と同居している親族は、原則として雇用保険に加入できません。ただし、一定の条件をすべて満たせば加入できます。その場合は、資格取得届とあわせて「同居の親族」雇用実態証明書や確認資料の提出が必要です。
■なぜ同居の親族は原則加入できないのか
雇用保険は、事業主に雇われて賃金を受ける「労働者」を対象とした制度です。事業主と同居している親族は、事業主と一体の立場とみなされやすく、一般的な雇用関係とは区別されるため、原則として被保険者になりません。
なお、ここでいう事業主には、個人事業主のほか、実質的に代表者の個人事業と同様と認められる法人も含まれます。法人化しているから問題ないとは限らない点に注意が必要です。
■例外的に加入できる条件
同居の親族であっても、次の条件をすべて満たす場合は雇用保険に加入できます。
- 業務を行うにあたり、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること
- 就業の実態が他の労働者と同様であり、賃金もそれに応じて支払われていること
- 取締役など、事業主と利益を一にする地位にないこと
特に、労働時間や休日・休暇、賃金の計算・支払方法などが、就業規則等に基づき他の労働者と同様に管理されていることが求められます。
■手続きで必要となる書類
加入の手続きでは、雇用保険被保険者資格取得届とあわせて「同居の親族」雇用実態証明書と確認資料を提出します。ハローワーク飯田橋の案内では、主な確認資料として次のものが挙げられています。
- 登記簿謄本(個人事業の場合は不要)
- 就業規則、給与規定(10人未満の事業所で未作成の場合は不要)
- 雇用契約書、労働者名簿
- 賃金台帳、出勤簿(概ね1か月分)
雇用契約書や賃金台帳などは、本人分だけでなく他の労働者1名分も求められ、他の従業員と同様に管理されているかが確認されます。また、すでに被保険者である従業員が同居の親族になった場合も、速やかな提出が必要です。
必要書類は管轄のハローワークによって異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
【まとめ】
- 事業主と同居している親族は、原則として雇用保険に加入できない
- 指揮命令下での就労、他の労働者と同様の就業実態と賃金、役員でないことの条件をすべて満たせば加入できる
- 手続きでは雇用実態証明書と、他の労働者分を含む確認資料の提出が求められる
同居の親族を雇用する際は、他の従業員と同じように雇用契約書を交わし、出勤簿や賃金台帳で勤怠・賃金を管理しましょう。加入できるか判断に迷うときは、手続き前にハローワークや社会保険労務士へご相談ください。
出典:
厚生労働省「Q&A~事業主の皆様へ~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000140565.html
東京労働局 ハローワーク飯田橋「『同居の親族』雇用実態証明書に必要な書類」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/content/contents/002483978.pdf
