国民生活センターは2025年12月3日、「失業保険の受給額や受給期間が増える」とうたう申請サポートに関する相談が増えているとして、注意喚起を行いました。
中には、不正受給を促すかのような誘導が行われたケースもあります。退職を控えた従業員の方はもちろん、送り出す側の事業主・人事担当者の皆さまにも知っておいていただきたい内容です。
■相談件数は3年で5倍以上に
雇用保険の失業等給付(いわゆる失業保険)は、仕事を失った方が生活を維持しながら再就職を目指すための公的な制度です。ハローワークで申請し、条件を満たせば受給でき、給付額や期間は退職理由や勤務年数などによって異なります。
この申請サポートに関する相談件数は、2021年度の42件から2024年度には217件へと急増し、2025年度は10月31日時点ですでに216件に達しています。
■目立つ3つのトラブル
寄せられた相談には、次のようなものがあります。
- 依頼すれば受給額が増えると期待したが、実際には増えなかった
- 途中で解約を申し出たところ、認められなかったり、高額な違約金を請求されたりした
- メンタルの不調がないのに指定のクリニックの受診を指示されたり、うつ病と診断されるためのマニュアルが送られてきたりした
広告や勧誘において、過度な期待や誤解を招く表現が使われていることも問題点として挙げられています。
■不正受給の責任を問われるのは申請者本人
失業保険の支給は行政機関の審査によって決まるものであり、給付が保証されているわけではありません。給付を増やす目的で事実と異なる内容を申請すれば不正受給となり、責任を問われるのは事業者ではなく申請者本人です。
事業主の立場では、離職証明書に記載する離職理由を事実に基づいて正確に記入することが大切です。退職者から事実と異なる離職理由への変更を求められても、応じないようにしましょう。
【まとめ】
- 失業保険の申請サポートに関する相談は急増しており、2025年度は10月末時点で前年度並みの件数に達している
- 受給額が増えなかった、高額な違約金を請求された、不正受給を促されたといったトラブルが目立つ
- 失業保険は審査で決まるものであり、事実と異なる申請をすれば申請者本人が不正受給の責任を問われる
退職予定の従業員から失業給付について相談を受けたときは、民間の申請サポートではなく、住所地を管轄するハローワークへの相談を勧めましょう。離職理由は事実どおりの記載を徹底してください。
出典:国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意-不正受給を促すかのようなケースも!-」(2025年12月3日公表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20251203_1.html

