Q.健康保険に加入したときの「確認通知書」「資格情報のお知らせ」とは何ですか? 会社としては、どう扱えばよいのでしょうか。
A.現在の制度では、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」という2種類の書類があり、前者は“保険証の代わり”、後者は“資格情報の控え”として、それぞれ役割が分かれています。人事・労務担当者としては、この違いと交付タイミングを押さえたうえで、従業員への配付・再発行相談への対応を行うことが重要です。
1.2つの書類の基本的な位置づけ
健康保険に新たに加入したとき、従業員から「保険証はいつ届くのか」「加入内容を確認できる書類がほしい」と尋ねられることがあります。
現在は紙の健康保険証の新規発行が停止されており、代わりに次の2つが使われます。
- 資格確認書……マイナ保険証を利用できない人が、医療機関で健康保険の資格を示すための「保険証の代替」です。単体で提示して受診に利用できます。
- 資格情報のお知らせ……被保険者記号・番号、氏名、生年月日、資格取得年月日、保険者番号・名称などが記載された紙製カードで、「あなたはこの健康保険にこういう内容で加入しています」という通知・控えの位置づけです。マイナ保険証とセットで補助的に用いますが、単独では受診に使えません。
この違いを社内で整理しておくと、従業員からの問い合わせ対応がスムーズになります。
2.資格情報のお知らせの内容・届き方・用途
(1) 内容と交付タイミング
資格情報のお知らせには、以下が記載されています。
- 被保険者記号・番号・枝番
- 氏名・生年月日
- 資格取得年月日
- 保険者番号・保険者名称
協会けんぽの場合、被保険者と被扶養者の全員分が対象で、2024年12月2日以降の新規加入者の資格取得・扶養認定時に、原則会社宛に届きます。
(2) 主な利用場面
資格情報のお知らせは、次のような場面で活用します。
- 医療機関でマイナ保険証が読み取れない/オンライン資格確認未導入の場合に、マイナ保険証と一緒に提示して資格確認を補助
- 傷病手当金・出産手当金・出産育児一時金等の申請書で、被保険者記号・番号を記載するときの確認資料
- 協会けんぽ・健保組合への問い合わせ時に、記号・番号を正確に伝えるための控え
なお、マイナポータルの資格情報画面や、そのPDF出力もほぼ同じ役割を果たします。
3.紛失・氏名変更時の対応と会社の関わり方
(1) 再交付が必要となる典型ケース
従業員から「資格情報のお知らせをもう一度ほしい」と相談される主な理由は、次の3つです。
- 紛失した
- 破れ・汚れ等でき損し、読めなくなった
- 氏名変更後のものが必要になった
この場合、原則は本人が協会けんぽへ「健康保険 資格情報のお知らせ交付申請書」を提出して再交付を受けます。
提出先は事業所を管轄する協会けんぽで、郵送または窓口提出(電子申請不可)です。
(2) 労務担当として確認すべきこと
会社に相談があった際は、いきなり用紙を渡すのではなく、次を確認します。
- なぜ必要なのか(紛失・き損・氏名変更などの理由)
- マイナ保険証を利用しているか、マイナポータルで資格情報を自分で確認できないか
- 緊急受診の予定があるかどうか(ある場合は「被保険者資格証明書」の案内が必要なことも)
マイナ保険証を利用していて、単に記号・番号を知りたいだけであれば、マイナポータルで代替できるため、必ずしも紙の再交付が不要なケースもあります。
(3) 会社が代行する場合の流れと留意点
実務上は、従業員の負担軽減のため、会社が申請書作成をサポートまたは代行する場合もあります。
- 被保険者記号・番号を確認して申請書に記入
- 被保険者記号・番号が不明な場合のみ、マイナンバー記入+本人確認書類貼付台紙を添付
- 申請後、資格情報のお知らせは本人住所宛てに直接郵送されるため、届いたかどうかを従業員から報告してもらうよう事前に伝える
き損分・旧氏名分など、古い資格情報のお知らせは返却不要ですが、個人情報を含むため、シュレッダー等で判読不能にして破棄します。
■まとめ
- 従業員からの「確認通知書」問い合わせは、実務上「資格確認書」か「資格情報のお知らせ」を指すことが多く、前者は“保険証代替”、後者は“資格情報の控え”と役割が異なる
- 資格情報のお知らせは会社宛に届くため、人事・労務担当者は到着したら速やかに対象従業員を確認し、配付・管理する
- 再交付は原則本人申請ですが、会社が記号・番号の提供や申請書作成を支援することで、給付申請や受診に支障が出ないようサポートしていくことが重要
【参考】
厚生労働省「資格確認方法」
全国健康保険協会「健康保険資格情報のお知らせ交付申請書」

