【ご質問】
「労働条件通知書に明示すべき休日は、事業所全体の所定休日を書いておき、本人の休日は『勤務表による』という書き方では不備がありますか?」というご質問をいただきました。
【回 答】
結論からいうと、その書き方だけでは不備と判断されるリスクがあります。
法令上、「休日」は労働条件通知書で明示しなければならない事項とされているため、「本人の休日は勤務表による」とだけ記載して、休日の決め方や基準を示さない場合は、必要な内容が明示されていないと評価されるおそれがあります。
シフト制であっても、「個々人の休日の決め方」や「最低限確保する休日数」まで労働条件通知書に記載することが求められています。
■ 休日の明示は法律上の義務
労働基準法第15条および労働基準法施行規則第5条第1項により、「休日」は労働条件通知書への書面明示が必須とされています。
そのため、「本人の休日は勤務表による」とだけ記載し、その決め方や基準が何も書かれていない状態は、明示義務を果たしていないと評価される可能性があります
■ シフト制でも「決め方のルール」の記載が必要
休日が固定されていない場合でも、休日の設定に関する基本的な考え方を書面に明示することが、厚生労働省の通達等でも求められています。
具体的には、次のような内容をセットで記載することが重要です。
・個々人の休日はシフト表(勤務表)により決定すること
・毎週少なくとも1日(または4週間を通じて4日以上)の休日を付与すること(最低休日保障)
・翌月分のシフトをいつまでに通知するか
厚生労働省が示しているモデル様式やQ&Aでも、具体的な曜日が確定していない場合には、少なくとも「休日の設定にかかる基本的な考え方」(どのようなルールで休日を決めるか)を明示することが必要とされています。
たとえば、
「休日:1か月単位のシフト制。毎週少なくとも1日以上の休日(または4週間を通じて4日以上の休日)を付与し、具体的な休日は毎月作成する勤務表により前月○日までに通知する。」
のような記載が、実務上よく用いられている適切な書き方の例です。
■ 「事業所の休日」と「本人の休日」はセットで記載しましょう
事業所全体の休日(例:日曜日・祝日・年末年始など)と、個々の労働者の休日の決め方を組み合わせて記載することで、監督署の考え方とも整合的な通知書になります。
「事業所の休日を書いて、あとは勤務表による」という書き方は、一見わかりやすいようでも、「どのようなルールで休日が決まるのか」が不明確なため、労働基準監督署の調査等の場面で問題を指摘されるリスクがあります。
■ まとめ
・休日は労働条件通知書への書面明示が法律上必須の項目であり、「勤務表による」とだけ記載するのは原則として必要な明示が不足していると見なされるおそれがあります。
・シフト制の場合でも、休日の決定方法(シフト表による旨)・通知時期・最低休日保障(週1日または4週4日)を通知書に明記することで、明示義務を満たすことができます。
・「事業所の休日」と「個々人の休日の決め方」をセットで記載する形が、実務上も監督署の考え方とも整合的であり、トラブル予防につながります。
