年度更新申告書計算支援ツールとは、厚生労働省が提供するExcel(エクセル)形式の無料ツールのこと。
事業主が毎年行う「労働保険の年度更新申告書」の作成をサポートするものです。

◆  年度更新って何をするの?

事業主は毎年1回、次のような申告と納付を行います。

・前年度の労働者への賃金額を基に「確定保険料」を計算・申告
・当年度の見込賃金を基に「概算保険料」を計算・申告
・計算した保険料を納付

この作業を「年度更新」と呼びます。

◆  計算支援ツールの役割

手計算や別途集計ソフトを使わなくても、Excelに必要な情報(賃金額など)を入力するだけで、確定保険料や概算保険料、一般拠出金などを自動で計算。
申告書の記入イメージを作成してくれるのが、この支援ツールです。

以下の3種類があります:

・継続事業用(一般的な会社はこちら)
・雇用保険のみ適用事業用
・建設の事業用

◆  どんな人におすすめ?

・年度更新が初めての担当者
・集計作業や計算ミスに不安がある方
・社内で申告書作成まで対応している労務担当者

このような方にとって、作業の手間とミスを大幅に減らせる便利なツールです。

ただし、あくまで申告書の作成を支援するツールであるため、印刷をしてそのまま提出することはできません。
ツールを使って作成したあとは記入イメージを見ながら、申告書に手書きで記入する必要があります。

◆ 年度更新のポイント

必要なのは、前年度の賃金台帳などの賃金情報だけです。
ただし、自社の年度更新申告の計算がいつ始まり(何月から何月まで)なのか、確認が必要です。

年度更新は毎年4月から翌年3月までに支払った賃金を元に集計します。
ところが、締日・支払日により「毎年4月」がいつからなのか、悩むところです。

これについては、とくに法律的な決まりはありません。
例えば、締日・支払日により次の考え方ができます。

《20日締め・当月末日払いの場合》 
 4月分賃金~翌年3月分賃金

《末日締め・翌月15日払いの場合》 
 5月支払分(4月分賃金)~翌年4月支払分(3月分賃金)

《末日締め・翌月15日払いの場合》 
 4月支払分(3月分賃金)~翌年3月支払分(2月分賃金)

また、いずれの計算開始月であっても、一度決めたら変更するこはできません。
いつから計算を開始したか記録しておき、次年度の申告に活かしましょう。

◆ 年度更新申告書計算支援ツールはこちらからダウンロードできます。
(厚生労働省 主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)より)