第4章 評価後面談のすすめ ― 実践ガイド

「評価面談って何を話せばいいのか分からない」

「一方的に伝えるだけで終わってしまう」

「面談の結果を伝えたことで気まずくなることが不安」

そんなお悩みをよく聞きます。

面談は評価の“本番”ともいえる大切な場面です。
ですが、あらためて評価の結果を伝えることは、上司の立場といえども気を遣うものです。

この章では、評価後の面談を充実した時間とできるよう具体的な準備やポイントを挙げて、お話しします。

●面談の目的は“部下の成長支援”

面談で大切なことは、評価後の面談をいかに部下の成長につなげるかです。

そのため評価の理由を丁寧に伝えることも必要ですが、今後どのように活躍してほしいかを伝えることが重要です。
「よいところ、できていること」をはっきりさせ、「ここを改善すればもっとよくなる」とエールを送ることです。

形式的にこなすのではなく、部下の成長を願い向き合うことで、面談の質が変わってきます。

部下の成長を願い面談に臨むことと、とにかく評価結果を伝えようと思い面談に臨むこととでは、最初から気持ちや言葉が異なってくるのではと思います。

●面談を成功させる準備ポイント

面談の前に、以下の3点を準備しておくと安心です。

1. 評価の根拠となる具体的なエピソードを準備する

2. 職員に問いかけたい「成長支援」の視点を持つ

3. 面談時間は最低15~30分、集中して話せる環境を整える

この準備をしておくだけで、「上司が本気で向き合ってくれている」と職員に伝わります。

また、日頃の「関係の質」も重要です。
限られた面談時間で、いきなり質の高い評価面談をしようとしても難しいものです。

普段の業務のなかで、職員への問いかけや上司ができる支援は何かを見立てておくことが大切です。

●よくある質問例・会話例

「この半年間、自分の成長を感じた瞬間はありましたか?」

「困ったことや迷ったことがあれば、教えてください」

「これからどんな職員になりたいと思いますか?」

こうした質問を通じて、職員自身に振り返りと気づきを促し、次の目標設定につなげましょう。

1つだけ上司から部下への魔法の質問があります。

「あなたが組織に貢献できるために、私になにができるか教えてください」

これこそが、部下の成長を願ったよい問いかけであると思います。