人手不足が続くなか、「求人を出しても応募が少ない」「採用してもすぐに辞めてしまう」という声を多く聞きます。
こうした中で注目されているのが、社員から知人や友人を紹介してもらうリファラル採用です。
※リファラル採用については後述しています。

東京商工リサーチの調査によると、リファラル採用を取り入れている企業は全体の49.2%にのぼり、ほぼ半数の企業に広がっています。
大企業では60.4%、中小企業でも48.3%が導入しており、もはや一部の企業だけの採用手法ではなくなっています。

"「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ"

■リファラル採用とは

リファラル採用とは、社員が自社に合いそうな知人・友人を会社に紹介する採用方法です。

採用広告や人材紹介会社とは異なり、会社の雰囲気や仕事内容を知っている社員から紹介されるため、応募者も入社前に職場の実態をイメージしやすいという特徴があります。

同調査では、定着率が高い採用方法について「いずれも大差ない」が40.4%で最多でしたが、それを除くと「リファラル採用」が18.5%で最も多く、「ハローワークを通じた中途採用」12.1%、「新卒採用」10.4%、「転職エージェントからの紹介」5.4%を上回りました。特に中小企業では、定着率が高い採用方法としてリファラル採用を挙げた企業が19.0%で最も多くなっています。

■導入するときの注意点

リファラル採用を導入する場合は、まず「誰でも紹介すれば採用する」という形にしないことが重要です。
紹介であっても、通常の採用と同じように、仕事内容、必要な経験・能力、勤務条件、会社が大切にする価値観を明確にし、通常の採用と同じように面接や選考を行う必要があります。
そのため選考に漏れることがあることを、紹介した社員にあらかじめ、伝えておくことが重要です。
また、不採用になった場合や、入社後に早期退職した場合に、紹介者が責任を感じすぎないようにすることも大切です。

リファラル採用の際、「紹介した社員にいくら報酬(謝礼)を支払う」という会社もあれば、そうでない会社もあります。
紹介報酬を設ける場合は、支給対象、支給時期、返還の有無、対象外となるケースなどを事前に決め、トラブルを防ぐための運用ルールを整えておきましょう。

調査では、紹介者への報酬について「支払っていない」が40.9%で最も多く、報酬を支払う場合でも「1~10万円未満」が20.7%でした。

つまり、報酬を用意しなければ制度が成り立たないわけではありません。支給対象と支給時期の設定方法は、大きく分けると3つになります。
・紹介があれば支給する
・採用が決まれば支給する
・一定期間定着したとき支給する

一時金等で報酬を支払う場合、社会保険に加入であれば、賞与支払届の提出が必要です。
税務、社会保険も確認しておきましょう。

■大切なのは「紹介したくなる会社」づくり

リファラル採用は、自分が勤めていて、社員が「知人に紹介したい」と思える職場であることがまず第一です。
人間関係が悪い、労働条件が不明確、入社後の教育体制が整っていない職場では、社員自身は安心して紹介できません。

結局、リファラル採用を推し進めることは、自社の働きやすさや職場風土をよくしていく必要があるということです。
そのためには、制度を作る前に、社員が安心して働ける職場づくり、労働条件の整備、入社後のフォロー体制を見直すことが大切です。

■まとめ

  • リファラル採用は、社員の信頼関係を活かした採用方法であり、中小企業にも広がっている
  • 社員からの紹介だからといって無条件に採用するのではなく、通常の採用と同じように選考基準や労働条件を明確にしておくことが大切
  • 報酬制度だけに頼るのではなく、社員が「この会社を紹介したい」と思える職場づくりこそが、リファラル採用を成功させる一番のポイント