Q.2027年1月1日から、年次有給休暇をこれまので個別付与(入社日を基準日)から毎年1月1日に一斉付与に切り替える際の注意点を教えてください。

A.切り替えは可能ですが、就業規則の整備、法定日数を下回らない付与設計、移行期の年5日取得義務の管理が重要です。単に全員の付与日を変更するだけでは足りません。

1.就業規則と付与ルールを整える

まずは、就業規則や年休規程に「毎年1月1日を基準日として一斉付与する」旨を明記します。
あわせて、中途入社者の初回付与を「入社6か月後」とするのか、1月1日に前倒しするのかを定めておきましょう。

通常の労働者は、入社6か月経過時点で、出勤率が8割以上であれば10日の付与が必要です。
その後も1年6か月で11日、2年6か月で12日と、法定日数を下回らない設計にします。
前倒し付与を行う場合、短縮された期間は全期間出勤したものとして出勤率を判定し、翌年度以降も同じ幅以上で繰り上げる必要があります。

2.移行年度は付与日数が多くなることが

以前から在籍する社員は、入社日基準で年休を付与された後、2027年1月1日に再度付与される場合があります。移行年度だけ日数が多く見えても、法定以上の取り扱いであれば問題ありません。

中途入社者については、初回のみ入社6か月後に付与し、2回目から1月1日に統一する方法と、初回から1月1日に前倒しする方法があります。入社時期による差が生じやすいため、従業員への丁寧な説明も準備しておきたいですね。

2-1. 法定基準日前に1月1日を迎える新入社員

例:
入社日:2026年6月1日
法定基準日:2026年12月1日(入社後6か月経過日)
会社基準日:毎年1月1日

この場合の考え方:2026年12月1日(法定基準日)までに、10日を付与しておく必要があります。
その上で、2027年1月1日に、勤続1.5年相当(11日)を付与します。
(法定日数以上となる)

2-2. 1月1日までに既に法定基準日を迎えている社員

すでに入社日基準で付与している社員は、次の1月1日から一斉基準で付与します。
ただし、その時点での勤続年数に対する法定日数以上を確保することが必要です。

3.年5日取得義務の重複に注意

基準日を変更すると、旧基準日と新基準日の取得義務期間が重なる社員が出ます。この場合、重複する期間を通算し、月数に応じて必要日数を按分する方法も認められています。

社員ごとの入社日、付与日、付与日数、取得日数を一覧化し、年次有給休暇管理簿へ記録しましょう。2026年中に規程改定と個別試算を済ませておくと安心です。

【まとめ】

・就業規則に1月1日基準と中途入社者の扱いを明記する
・法定日数を下回らないよう社員ごとに試算する
・移行期の年5日取得義務と年休管理簿を丁寧に管理する

参考:労働基準法第39条、平成6年1月4日基発第1号、厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得」