厚生労働省は令和8年10月、シフト制で働く従業員の年次有給休暇について、取扱いをまとめたリーフレットを公表しました。
パートやアルバイトをシフト制で雇用している事業所では、「所定労働日数が決まっていないので付与日数が分からない」という声をよく耳にします。
今回は、リーフレットの要点を3つに分けてご紹介します。

■シフト制でも年次有給休暇の付与は必要

シフト制で働く従業員にも、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤したときは、年次有給休暇を付与しなければなりません。全労働日とは、一般的にはシフト表で確定した所定労働日などの全日数を指します。

付与日数は、付与する日の時点で予定されている所定労働日数と労働時間数で決まります。週の所定労働日数が4日以下で、かつ週の所定労働時間が30時間未満の場合は、日数に応じた比例付与となります。
あらかじめ所定労働日数を定めていないことを理由に、付与しないことは認められません。

■所定労働日数が算出しがたい場合の決め方

所定労働日数を算出しがたい場合は、次の日数を1年間の所定労働日数とみなして、付与日数を算出することができます。

  • 雇入れ6か月経過後の付与は、雇入れから6か月間の労働日数の実績を2倍した日数
  • 雇入れ1年6か月経過後以降の付与は、前年の労働日数の実績

たとえば、6か月間の労働日数の実績が78日であれば、2倍した156日を当てはめ、付与日数は5日となります。なお、「1週4日程度勤務」のように目安となる労働日数を定めているときは、その目安で算出することもできます。ただし、実績で算出した日数より多くなる場合に限られます。

■取得の申請と賃金の支払い

シフト制であっても、従業員は希望する日に年次有給休暇を請求できます。「シフトを調整して働く日を決めたのだから、その日に年休は使わせない」という取扱いは認められません。
時季を変更できるのは事業の正常な運営を妨げる場合に限られ、「代わりの人がいない」「忙しい」というだけでは変更できません。

取得した日の賃金は、就業規則等に基づき、通常の賃金や平均賃金などで支払います。時給制で通常の賃金による場合は、時給額に、シフト表で確定した取得日の所定労働時間を乗じて計算します。

【まとめ】

  • シフト制の従業員にも、6か月継続勤務と8割以上の出勤で年次有給休暇を付与する必要がある
  • 所定労働日数が算出しがたい場合は、労働日数の実績をもとに付与日数を決めることができる
  • シフト確定後の請求も原則として拒めず、取得日の賃金はシフト表の所定労働時間などをもとに支払う

まずは、シフト制の従業員ごとに付与日と付与日数を確認しましょう。
あわせて、申請方法や残日数を給与明細などで知らせ、シフト案を早めに示すことが、取得しやすい職場づくりにつながります。