Q. 令和8年4月1日から病気を抱える労働者の治療と就業の両立支援が努力義務になったと聞きました。会社として、何から始めればよいでしょうか?
A. 改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)により、令和8年4月1日から、職場における治療と就業の両立支援の取組が、事業主の努力義務になります。治療と就業の両立支援指針(令和8年厚生労働省告示第28号)を踏まえ、社内の環境整備や必要な両立支援の措置を講ずることが求められます。まずは「治療と仕事の両立支援チェック」を活用して自社の現状を見える化し、制度の整備と相談しやすい職場環境づくりから始めましょう。
■まずは「自社の今」をチェック
治療と仕事の両立支援とは、病気を抱えながらも働く意欲のある方が、治療だけを理由に仕事をあきらめたり、仕事を理由に治療の機会を逃したりしないように支える取り組みです。対象となる疾病には、がん・脳卒中・心疾患・糖尿病・肝炎・難病などがあります。
何から始めるかお悩みの際は、「治療と仕事の両立支援チェック」を活用し、経営方針や相談窓口、復職支援などの取り組み状況を確認してみましょう。
■制度があるだけでなく「使える」ことが大切
両立支援というと、つい新しい制度を作ることに目が向きがちです。
時差出勤、短時間勤務、テレワーク、時間単位年休、治療・通院休暇、休職制度などは大切ですが、制度があっても社員が知らなければ使えません。
社員の健康を大切にする方針を会社として伝え、相談窓口や担当者を明確にしましょう。
なお健康情報は繊細な個人情報のため、本人の同意を確認しながら、必要な範囲で共有することが大切です。
■両立支援は人材定着にもつながる
治療と仕事の両立支援は、社員本人だけの問題ではありません。
病気になった社員を支える職場では、同僚の業務負担が一時的に増えることもあるため、周囲への配慮も欠かせません。
「困ったときはお互いさま」という職場風土がある会社は、社員にとって安心して働き続けられる場所になります。
また会社にとっても、経験ある人材の離職防止や採用面での企業イメージ向上につながり、これからの人材確保・定着策の一つとなります。
【まとめ】
- 平時から制度や相談体制を整え、社員からの相談に備えましょう
- 健康情報は本人の同意を確認し、必要な範囲で慎重に共有しましょう
- 両立支援は社員の安心だけでなく、人材定着や採用力強化にもつながります
