Q.子ども夫婦と同居し、その子(孫)の世話を日常的にしている従業員から「育児休業を取得できますか?」と質問されました。どのように回答すればよいでしょうか?

A.原則として、祖父母が養育している「孫」は、育児休業の対象となる「子」には該当しません。
ただし、祖父母と孫との間に養子縁組を行い、法律上の親子関係が成立している場合には、例外的に育児休業の対象となり得ます。

■育児休業の対象となる「子」とは

育児・介護休業法において、育児休業を取得できるのは、原則として1歳未満の子を養育する労働者です。
ここでいう「子」とは、労働者本人と法律上の親子関係がある子を指します。

具体的には、次のような子が含まれます。

  • 実子(嫡出子・非嫡出子)
  • 普通養子・特別養子
  • 特別養子縁組のための試験的な養育期間中の子(特別養子縁組の成立の請求が裁判所に係属している場合)
  • 養子縁組里親として委託されている子
  • 養子縁組里親として委託することが適当と認められるが、実親等の反対により養育里親として委託されている子

■「孫」が対象外となる理由

孫は「子の子」であり、祖父母との間には血縁関係がありますが、民法上の「親子関係」は、原則として親と子の間にのみ成立するものです。祖父母と孫の間には、法律上の親子関係は直接には生じません。

そのため、祖父母が実態として孫を養育している場合であっても、単に「孫の世話をしている」「孫と同居して養育している」という事実だけでは、育児休業の対象にはなりません。

■例外的に対象となるケース

孫が育児休業の対象となり得るのは、祖父母と孫との間に法律上の親子関係が成立している場合です。

典型的には、次のようなケースが考えられます。

  • 祖父母が孫と養子縁組(普通養子・特別養子)を行っている場合※この場合、その孫は法律上「子(養子)」と扱われるため、育児・介護休業法上の「子」に該当し、要件を満たせば育児休業の取得が認められます。
  • 特別養子縁組を予定しており、孫が祖父母のもとで試験的な養育期間中にある場合で、法令上「子」として扱われると整理できるとき

逆に言えば、養子縁組等により法律上の親子関係が成立していない限り、どれほど献身的に孫を養育していても、育児休業の対象となる「子」とは扱われません。

■まとめ

  • 育児休業の対象となる「子」は、労働者本人と法律上の親子関係がある子に限られる(実子・養子を問わない)
  • 孫は原則として対象外だが、祖父母が孫と養子縁組をしている場合など、法律上の親子関係が成立しているときは「子」として対象となり得る
  • 「実態として育てている」「同居して養育している」だけでは要件を満たさない
  • 従業員から相談があった際は、念のため、相談者と子との続柄(孫かどうかだけでなく、実子・養子・里子等の区分)、養子縁組の有無(普通養子・特別養子、特別養子縁組の監護期間中かどうか)を確認する