2026年(令和8年)の税制改正は、給与計算・年末調整・扶養判定・福利厚生制度に関わる内容が多く、企業実務への影響が大きい改正となります。本記事では、特に押さえておきたいポイントを整理します。

■ 「年収の壁」がさらに引き上げ

所得税がかかり始める給与収入の目安は、令和6年以前の103万円から、令和7年は160万円、令和8年以後は178万円へと引き上げられます。
給与所得控除の最低保障額が実質74万円、基礎控除が最大104万円となるためです。

ただし住民税は別計算で、令和9年以後の目安は119万円です。
所得税と住民税で「壁」が異なるため、従業員への説明時には注意が必要です。

■ 扶養の年収基準も変更

令和8年以後、配偶者控除・扶養控除の対象となる給与収入の目安は136万円以下となります。
長年使われてきた「103万円の壁」という説明は使えなくなるため、扶養確認書類や年末調整の案内文の見直しが必要です。

19歳以上23歳未満の特定親族特別控除についても、給与収入136万円超197万円以下の範囲で段階的に適用される形に見直されます。

■ 通勤手当・食事補助の非課税枠が拡大

令和8年4月1日以後の支給分から、次の見直しが行われます。
・片道65km以上の長距離通勤者の非課税限度額の引き上げ
・駐車場代の会社支給分は月5,000円まで非課税枠に加算
・現物支給する食事の非課税限度額が月3,500円から7,500円に拡大
・深夜勤務者への夜食代金の金銭支給は1回300円から650円に引き上げ

なお、食事代を現金で支給する場合は原則として給与課税となる点は変わりません。
「現物支給」と「現金支給」の取扱いの違いに注意してください。

■ 年末調整の適用時期に注意

改正後の計算は、令和8年12月1日以後の年末調整から適用される予定です。
それ以前に年末調整を行う場合(出国するケースなど)は、改正前の計算で処理することになります。
源泉徴収への本格反映は令和9年分以後のため、給与計算ソフトの更新時期にも注意が必要です。

■ 企業が今から準備すべきこと

改正は令和8年から令和9年にかけて段階的に適用されます。
扶養控除申告書の確認方法、従業員向け説明資料、通勤手当規程、食事補助制度、給与計算ソフトの設定を順次見直していく必要があります。

ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。