Q.賃金規程に「号級」や「給料の幅」という言葉は出てくるのですが、賃金表自体は労働基準監督署に届け出ていません。このままで問題ないでしょうか?
A.賃金表を実際に基本給や昇給の決定に使っているのであれば、賃金規程の一部として労働基準監督署へ届け出て、従業員にも周知する必要があります。逆に、実態として賃金表を使っていないのであれば、規程の文言自体が実態に合っておらず、見直しが必要です。
■就業規則の届出義務と賃金規程の位置づけ
常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、労働者代表の意見書を添えて届け出る義務があります。
賃金の決定方法・計算方法・支払方法・締切日や支払日・昇給に関する事項は、就業規則の必要記載事項です。
そのため、賃金規程は就業規則の一部として扱われ、変更時も同様に届出が必要です。
■賃金表が実質的に賃金規程の一部となるケース
賃金表が単なる社内メモではなく、基本給の決定、等級・号俸の決定、昇給額の決定、昇格時の給与決定などに実際に使われている場合、その賃金表は賃金規程の別表として届出すべきものと考えられます。
規程上に「別表」と明記されていなくても、号級・給料の幅・昇給といった表現があれば、賃金表の存在を前提にした規程と読まれるのが通常です。
■実務上のリスクと対応の分かれ目
この状態を放置すると、届出内容が不完全と見られるリスクと、従業員への周知・説明が不十分になるリスクが生じます。
対応は次の2つに分かれます。
- 賃金表を実際に制度として使っているなら、規程に明確に位置づけたうえで別表として整備・届出・周知する
- 一方、実態として賃金表を使っておらず経営者の判断等で決定しているなら、「号級」「給料の幅」などの表現を見直し、実態に即した規定に改める
【まとめ】
- 賃金表を賃金決定に使っているなら、賃金規程の一部として届出・周知が必要
- 程上「別表」と書かれていなくても、号級等の表現があれば賃金表の存在が前提とされる
- 賃金表を使っていない場合は、規程の文言を実態に合わせて見直すことが先決
