Q.「休業開始時賃金月額証明書」とは何ですか?会社はどのように対応すればよいですか?
A.雇用保険の育児休業等給付(育児休業給付金・出生時育児休業給付金、介護休業給付金など)の1日あたりの支給額(休業開始時賃金日額)を算定するために、休業開始直前6か月間の賃金支払状況を、会社がハローワークへ提出する賃金証明書です。休業前の賃金実績を正確に記入することが求められます。
■ この書類の目的と種類
「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は、育児休業等給付(出生時育児休業給付金・育児休業給付金等)や介護休業給付の支給額を計算するための基礎資料として、事業主がハローワークへ提出する書類です。
育児休業用と介護休業用の2種類があり、それぞれ対象となる休業の開始時に提出します。
ハローワークはこの証明書をもとに「休業開始時賃金日額」を決定し、給付額を算出します。社員にとって給付水準に直結する重要な書類ですので、正確な記入が必要です。
提出のタイミングは、育児休業の場合、一般的に「育児休業給付受給資格確認票」(初回申請書)と同時にハローワークへ提出します。
■ 記入のポイント
証明書には、事業所情報・被保険者情報のほか、休業開始前の直近6か月分の「賃金総額」と「支払基礎日数」を月ごとに記入します。
記入にあたっては、賃金台帳・出勤簿・労働者名簿などを確認しながら転記するのが基本です。
なお、記入する賃金には雇用保険上の「賃金」に該当するものを含めますが、賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金や、結婚祝い金など臨時の賃金は含めません。
一方で、基本給や各種手当(通勤手当など)であって、労働の対償として毎月支給されるものは、原則として賃金総額に含めて記載します。
また、この様式は複写式で運用されており、原則としてインターネットでのダウンロードではなく、管轄のハローワーク窓口で受け取ることになります。
■ 実務上の流れと注意点
実務では、対象者の休業開始が決まった時点で速やかに準備を始めることが重要です。
休業開始日を確認して対象期間(直近6か月)を特定し、賃金台帳・出勤簿から必要データを集めます。
記入・押印が必要な様式の場合は押印を行ったうえで、「育児休業給付受給資格確認票・支給申請書」などと合わせてハローワークへ提出します。
社会保険労務士が電子申請で対応する場合、事前に「照合省略」の承認を受けていれば、ハローワークでの原本照合等を省略して申請できる場合がありますが、その場合であっても、社内では賃金台帳・出勤簿などの裏付け資料を適切に整備・保存しておく必要があります。
【まとめ】
- 休業開始時賃金月額証明書は、雇用保険の育児休業等給付(育児休業給付金・出生時育児休業給付金等)および介護休業給付の支給額算定のために、事業主がハローワークへ提出する書類で、育児用と介護用の2種類がある
- 直近6か月分の賃金総額と支払基礎日数を賃金台帳・出勤簿をもとに正確に記入することが重要であり、賞与や慶弔見舞金などの臨時的な給付は通常除外する一方、基本給や諸手当など継続的な手当は原則として含める
- 様式は原則としてハローワーク窓口での受け取りが必要となるため、対象者の休業開始が決まった時点で早めに準備を進め、必要資料の収集・保存も含めて計画的に対応することが実務上のポイント
