Q.時間単位年休の「繰り越し」はどのように扱われますか?
A.年次有給休暇そのものは翌年に繰り越せますが、「時間単位で取得できる上限(年5日分)」は毎年リセットされ、前年の未使用枠を翌年に持ち越すことはできません。

■ 時間単位年休とは

時間単位年休とは、年次有給休暇を1時間単位で取得できる制度です。
導入には就業規則への規定と労使協定の締結が必要です。

労使協定では、次の4点を定める必要があります。

  1. 時間単位年休の対象労働者の範囲
  2. 時間単位年休の日数(取得できる日数 年5日以内)
  3. 時間単位年休1日分の時間数((例 所定労働時間が1日7時間 30 分の場合は8時間となります)
  4. 1時間以外の単位を用いる場合はその時間数

なお、30分など1時間未満の単位は認められていません。

■ 「繰り越し」と「時間単位枠」の関係

最も誤解が多いポイントです。
年次有給休暇そのものは付与日から2年間有効で、未取得分は翌年に日数として繰り越すことができます。
しかし、「時間単位で取得できる上限(年5日分)」は年度ごとにリセットされます。

たとえばある年度に2日分しか時間単位で取得しなかった場合でも、残り3日分の枠を翌年度に持ち越すことはできず、翌年度もあらためて最大5日分の枠が設定されます。

■ 半日単位年休と時間単位年休の違い

半日年休と時間単位年休の違いとして、大きく2つが挙げられます。

半日単位年次有給休暇とは、法律上の必須制度ではなく、会社が任意に設けるものです。
取得した半日は0.5日としてカウントされ、繰り越しも日数単位で2年間有効です。

「半日を何回まで」という法定の上限枠はありません。
一方、時間単位年休には「年5日分まで」という法定の上限があり、この上限枠が繰り越せないという違いがあります。

次に、使用者が時季を指定すべき年5日の年休取得義務に含めることが「できる、できない」の違いがあります。
2019年4月から、使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させることになっています。

時季指定に当たって、労働者自ら半日単位年休を取得した場合には、取得1回につき0.5日として、使用者が時季を指定すべき年5日の年次有給休暇から控除することができます。
時間単位の年次有給休暇については、使用者による時季指定の対象とはならず、たとえ労働者が自ら取得した場合にも、その時間分を5日から控除することはできません。

【まとめ】

  • 年次有給休暇は付与日から2年間有効で、未取得分は翌年に日数として繰り越すことができる。
  • 「時間単位で取得できる上限(年5日分)」は毎年リセットされ、前年の未使用枠を翌年に持ち越すことはできない。
  • 繰り越された年休を時間単位で使用することは可能だが、その分も当該年度の5日枠にカウントされる。