基礎編「就業規則にはどこまで書いておくべきか?」~20160201

【就業規則と個別雇用契約の関係】

法令 > 労働協約 > 就業規則 > 雇用契約

・上記図は、左にいくほど効力が強くなる
・したがって、雇用契約の内容が就業規則を下回っていると、
就業規則で定めている内容へ引き上げられる

・就業規則と個別の雇用契約の関係では、就業規則に記載がなく、
雇用契約のみで定めている箇所は、雇用契約が契約の内容となる
・したがって、基本給の額など個別の雇用契約へ記載し、就業規則に記載がないと、
基本給を変更する場合は、就業規則の変更で行うことはできず、
雇用契約で個別に変更することになる。(契約の相手方である社員の合意が必要)

【ワンポイント解説】
前回からの続きです。
就業規則を詳しく書きすぎると、従業員に権利を主張されるのではと心配されて、
あまり書き込まれていない規則を時々、拝見します。
しかし、基本給を人事評価により変更(とくに降給)したい場合や、
一律に支給している手当(通勤手当など)を引き下げたい場合、
就業規則に金額の記載がないと、個別の労働契約で合意しなければならなくなります。
前者であれば、規則に資格等級表やピッチ表の記載があり、
きちんと運用(本人が予見可能である等)がなされていれば、
合意を得なくても基本給を下げることは可能であると考えます。
また、通勤手当など多くの社員に影響がある手当を変更する場合、
あらかじめ通勤手当の計算方法を定めておき、変更は就業規則で行ったのちに、
個別に同意を得たほうが、実務の点では便利でしょう。