社労士定期便


秩序編「会社の備品を貸し出すときの規定」

【 会社の備品・機器を借りるときのルール 】
・本規定の対象者を決める、社員のみか、パートなどすべての社員も可能か
・貸し出しの条件を決める。利用目的を、地域のイベント、地域ボランティア、
 災害援助などに利用できる、など
・営利目的でないことを原則とする。イベントの模擬店等は会社の判断で許可する
・貸し出し可能な会社所有物をリストアップする
・貸し出しするときのルールを規定する
・借主の義務として、紛失、破損があった場合の損害賠償などを決めておく
・会社の備品を使ってどのようなイベントに参加したか、写真とレポートを提出する

【解 説】
個人では所有できない、もしくは使う頻度が少ないため所有することが少ない備品や機器を
会社で所有していることがあります。
それらのものを社員が個人的な理由で借りたいというとき、貸し出したいのはやまやまだが、
何かあった場合を考えると貸しにくいということもあります。
そのような場合、あらかじめ規定を決めておくと、会社も社員も貸しやすく、借りやすくなります。
ルールを作るときのポイントは、個人的な利用であるため、利用目的をはっきりさせておくことです。
例えば、地域のイベントやボランティア、災害援助などに限定するなど。
また、利用したあとは、どのようなことに使ったのか、写真と簡単なレポートの提出を求め、
社内に掲示すると、交流を深めることにもつながります。
(参照・引用:「社員がよろこぶ会社のルール・規程集」かんき出版 有限会社人事・労務著)

前回より「ランチェスター法則に学ぶ組織論」につい
て、お話ししています。

◆ 仕事に対する人の配分が53%
前回、ランチェスター経営(株)竹田陽一先生の組織
戦略によると、組織の大事な要素のウェイト付けは、①
仕事に対する人の配分…53%、②配分後の役割分担
…27%、③従業員の教育訓練…13%、④賃金規程な
ど処遇に関すること…7%、であると説明しました。
仕事に対する人の配分は、中小企業では、営業部
門に75%、経理などの間接部門に25%を配分すると
経営力が最も高くなります。
また、従業員の人数規模により変化する社長の役割
や組織の階層を決めることも重要です。従業員30 人ま
では、2 階層までとし、組織のスピードが落ちないように
します。

◆ 教育訓練は社長の仕事
人の配分と役割分担を行ったあとは、教育訓練にな
ります。基本的に教育訓練を担当するのは社長さんで
す。社長さんが担当する理由は、経営の目的やお客
に対する価値観などは目に見えないからです。目に見
えないことをきちんと伝えることができるのは社長さん
だけになります。また、間に人を介在すると、介在する
人が増えれば増えるほど伝言ゲームと同じように、情
報量が落ちてしまいます。

◆ 賃金規程など処遇を改善する
賃金規程など処遇は7%のウェイトしかありません
が、社歴が長くなると、とくに手当など意味をなさないも
のが増えてきますので、整理し、より付加価値のある仕
事を評価・処遇する原資にあてます。
参照引用:「ランチェスター法則による1位作りの組織戦略」(ランチェスター経営・竹田陽一著)

これまでの育児休業給付金制度では、支給単位期間中に11日以上就業した場合は、
その支給単位期間について給付金は支給されませんでしたが、

平成26年10月1日以降の最初の支給単位期間からは、支給単位期間中に10日を
超える就業をした場合でも、就業していると認められる時間が80時間以下のときは、
育児休業給付を支給されるようになります。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000042797_2.pdf

●最低賃金を確認しましょう

パート等雇用形態に関わらず、日本国内で働く全ての人に最低賃金が適用されます。
最低賃金には「産業別」と「地域別」があり、
①まず各都道府県の産業別の金額を優先して適用し、
②どの産業区分にも該当しない場合、地域別の金額を適用します。

【最低賃金の計算方法】
・時間給の場合 時間給≧最低賃金額(時間額)
・月給の場合 1ヵ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
なお、次の給与は最低賃金に算入しないことになっています。
①精皆勤手当、通勤手当、家族手当、②臨時に支払われる給与、
③賞与など1ヵ月を超える期間ごとに支払われるもの、
④時間外、休日労働、深夜労働に対して支払われるもの。
※最低賃金が変更されます。岡山県…719円(10月5日~)、広島県…750円(10月1日~)

秩序編「マイカー通勤は許可制としリスクを軽減」

【 マイカー・自転車通勤の規定 】
・通勤中の事故であっても、使用者責任として会社の管理責任を問われる場合がある
・そのため、マイカー通勤は許可制とする
・運転免許証の提出と任意保険への加入を義務づける。
・したがって、毎年、保険証の写しと更新の度に免許証の写しを提出してもらう
・任意保険の保険金額を確認する。少なくとも対人・対物ともに無制限としておきたい
・自転車による損害賠償が増えているため、自転車も車同様に許可制とする
・自転車も厳密にいえば車両となるため、任意保険への加入を促す

【解 説】
最近「自転車事故によって損害賠償」という記事を目にします。
自転車通勤をする社員がいる場合、どのような点に注意するべきでしょうか。
道路交通法では、自転車は「軽車両」と定義しているため、
厳密にいえば自転車も車両ということになります。
通勤・通学途上の自転車が歩行者と衝突事故を起こし、数千万円の損害賠償を求められるケースもあります。
そのため自転車での通勤を許可する際には、マイカー通勤同様の管理(保険加入等)が必要となります。
帰宅途上において事故を起こし、加害者側となると、会社には民法第715条に定める「使用者責任」を
問われるリスクが潜んでいます。
運行供用者が、その自動車の運行によって人身事故を発生させた場合、損害賠償の義務を負うことが定められており、
これは民法上の使用者責任よりもかなり広い範囲で考えられています。
ここでいう「運行供用者」の認定基準は、「その運行を支配していたか否か」
「その運行によって利益が帰属していたか否か」が判断材料とされますので、
広範囲なリスクを必然的に抱えてしまうことになります。

前回から人材の育成について、お話ししています。

◆ 組織のウェイト付け
ランチェスター経営株式会社の竹田陽一先生の組織
戦略によると、組織の大事なウェイト付けをすると、次
のようになります。①仕事に対する人の配分…53%、
②配分後の役割分担…27%、③従業員の教育訓練…
13%、④賃金規程など処遇に関すること…7%
賃金規程など処遇が7%というのは、社労士からす
ると、少し驚きますが、経営の目的である「お客づくり」
の観点からみると、処遇を高めても人間、それほど大き
く変わらないことは頷けます。

◆ 最も経営力が高まる配分比率
竹田先生は、中小企業では、営業部門に75%を配
分し、経理などの間接部門に25%を配分すると経営力
が最も高くなると仰っています。
ただし、この配分は業歴により変わるため、業歴7 年
未満でお客の数が少ない会社は、営業部門に85%を
配分し、間接部門に15%を配分します。
これは、経営の目的を考えたとき、お客をつくり、つ
くったお客を維持し、増やすことであるため、そのため
には、間接部門の役割が必要になるからです。

◆ 人数規模で変わる社長の役割
次に大事なのは、役割分担で、まず従業員の人数規
模により変化する社長の役割を理解することです。
従業員10 人以下では、仕事時間の7~8割を戦術
に回すため、ともすると経営の勉強がおろそかになる
ため、休日等を勉強時間にあてるべきです。
また、教育訓練で、会社の経営理念、顧客観など重
要なことは社長が教えるようにします。
参照・引用:「ランチェスター経営であなたの会社が強くなる」(サンマーク出版・竹田陽一著)

●労働時間と割増賃金の端数処理

時間外労働や休日労働の時間数には、1時間未満の端数が生じることがあります。
1ヵ月単位で端数処理するときは、
「30分未満を切り捨て、30分以上1時間未満は1時間に切り上げる」とすることはできます。
1日の時間外労働や休日労働時間数について、
「30分以上1時間未満を1時間に切り上げる」と定めることはできますが、
「30分未満を切り捨てる」と定めることはできません。
また、割増賃金の計算においても、1円未満の端数が生じることがあります。
この場合も「50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を1円に切り上げる」とすることはできます。
その他、労働者に有利となる方法であれば、何も問題ありません。

休暇編「有給休暇の基準日を統一し事務負担を軽減」

【 有給休暇と基準日の統一 】
●中途入社の社員が多い中小企業にとって、年次有給休暇の発生日(基準日という、
 通常は入社から6ヵ月経過日)がまちまちとなり、各人の有給休暇の日数管理が煩雑になる
●年次有給休暇の管理を少しでも簡単にする方法として、「基準日の統一」という方法がある
●異なる入社日でも、例えば毎年4月1日に一斉に有給休暇が発生するにするように決めると人によって
 異なる基準日を管理しなくてよい
●入社日によっては不利益になったり、有利になったりしないよう配慮する必要がある
●基準日を年2回(4・10月等)設けることが入社日による違いを緩和できる一つの方法

【解 説】
年次有給休暇は、入社日から6ヵ月経過し、
その間の出勤率が8割以上であれば原則として、10日間発生します。
ちなみにパートには有給休暇はないと思っておられる事業主さんがいらっしゃいますが、
間違いです。週の所定労働時間が30時間未満かつ5日未満の場合、日数に応じ比例付与されます。
パートの勤務日数、時間は勤務表によって定められているため、
有給休暇を使う機会そのものがないためいつの間にか、労使双方、
パートに有給休暇はないという認識に至ったのではないでしょうか。
ところで、従業員数が多くなると、個別に入社日が異なる有給休暇の発生日や
休暇日数の管理が煩雑になってきます。
そのようなときは、パソコンを使って管理するとある程度、事務負担が軽減できます。
最近はフリーソフトもありますので、ぜひ活用してみてください。

前回から人材の育成について、お話ししています。

◆ 組織は「卒然(そつぜん)」がよい
孫子の兵法・九地編によると、組織は「卒然」がよいと
あります。卒然とは、常山に住む「蛇」のことで、この蛇
は頭を撃つと尾が反撃し、尾を撃つと頭が反撃し、腹
を撃つと頭と尾が同時に反撃してくるのです。
つまり、命令がなくても変化に対応し、全員一丸とな
って動ける組織がよい組織であり、優秀なリーダーは
「卒然」のように組織を動かすことができるとあります。

◆ ピンチが団結力を生む
では、どうすれば「卒然」のように組織を動かすことが
できるのでしょうか。
孫子の兵法には、「呉越同舟」の故事を例に、昔の
中国の国・呉と越のように、互いに憎み合う仲であって
も、同じ船に乗り、台風に遭うと右手と左手のように力
を合わせ、助け合うようになるとあります。
組織がピンチになれば、そのピンチを解決する方向
に向かって一致団結できるというわけです。

◆ 全員で会社の状況を共有する
しかし、一致団結するためだけに組織をピンチにさら
すことは、なかなか勇気が必要です。では、他にどのよ
うな方法が考えられるでしょうか。
例えば、まず、社員にできる範囲で会社の財務状態
を公開し、会社の業界におけるポジションなど、今、会
社がどのような状況にあるのかを伝えます。次に、これ
から会社はどこへ向かうのか、目的と目標を明確にし、
将来の姿と現状のギャップを埋めることを組織全体で
やっていけば、「卒然」のような組織になると思うのです
が、皆さんはいかが思われますか?

事業年度中に雇用者(雇用保険一般被保険者)数を5人以上(中小企業は2人以上)
かつ10%以上増加させるなど一定の要件を満たした事業主に対する税制優遇制度が、
平成27年度まで2年間延長されました
(個人事業主の場合は、平成27年1月1日から平成28年12月31日までの各年)。

この優遇措置を受けるために必要な「雇用促進計画」は、ハローワークにおいて
受け付けております。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/roudouseisaku/koyousokushinzei.html

●標準報酬月額の決定方法

月額算定基礎届の提出時期となりました。
さて、健康保険・厚生年金の標準報酬月額を決定する方法には、5通りあります。
①資格取得時決定
 初めて被保険者となる時に決定する方法です。
②定時決定
 月額算定基礎届を提出して、標準報酬月額を見直し、再決定することです。
③ 随時改定
 昇給、降給などで固定給に変動が生じ、標準報酬月額に2等級以上差がついたときに行います。
④ 育児休業終了時の決定
 育児休業終了後に行うものです。
⑤ 保険者算定
 上記①~④の方法により算定することが困難な場合等に保険者が行います。

休暇編「特別休暇は社風を表す」

【 特別休暇を定めるポイント 】
●年次有給休暇の取得だけでも悩まされるのに、さらに特別休暇を創設することに抵抗を感じる会社は、
 年次有給休暇の計画的な取得から始めるとよい
●年次有給休暇の計画的取得は、労使協定を結ぶことで可能となる
●年に1回、取得日を選択してもらうだけでも社員にとっては嬉しいもの
●ユニークな特別休暇を創設したら、求人票をはじめ広告宣伝物などにも書く
●ユニークな特別休暇は、ユニークな会社、面白そうな会社として肯定的にとらえてもらえる
●そのため、求人募集でプラスの作用に働く

【解 説】
前回より休暇編として、休暇規定の定め方についてお話ししています。
休暇には、法定休暇と、会社が任意で定めることのできる任意休暇の2つがあり、
法定休暇の代表として、年次有給休暇があることはお伝えしました。
今回は、任意休暇について取り上げてみたいと思います。
任意休暇ほど、社風がよく現れるものはありません。
しかし、私が知るかぎり、小規模の会社では慶弔休暇以外、
あまり見かけることがありません。
慶弔休暇以外では、「誕生日休暇」「リフレッシュ休暇」などを見受けますが、少数派です。
ユニークな休暇として、ボランティアを奨励する「ボランティア休暇」、
セールなど行きやすくするため金曜日の午後、休暇がとれる「おしゃれ休暇」があります。
このように、会社の方針が色濃く現れるのが、特別休暇といえます。

今回から人材の育成について、お話します。

◆ 素質×教材の質×教える人の熱心さ×時間
私の経営の師、ランチェスター経営の竹田陽一先生
は、教育効果は「社員の素質×教材の質×教える人
の熱心さ、または教え方×教育の時間」で定義づけら
れると仰っています。
このうち、とりわけ大事なのが教育の時間、または回
数で、次に大事なのが教える人(会社)の熱心さ、また
は教え方になります。

◆ 同業他社と“差別化”をはかる
教育の内容は、会社の「強いものづくり」や「1 位づく
り」に直結する内容とします。
社員の職務の充実をはかることも大事ですが、まず
は会社の業績向上が先決ですから、会社を強くした
り、1位にしたりするものに絞ります。
そして、同業他社があるテーマで1 年に1 回教育し
ていたら、社内では3~4回実行するようにします。
前述したように、教育効果のなかで、教育の時間や
回数が大きなウェイトを占めているため、時間や回数を
同業他社より増やすことが原則になります。

◆ 教育することの“真”の効果
私は、教育は社長さんに行っていただくことをお勧め
しています。もし、教え方が下手な社員に教育を任せ
ると、教えられる側のやる気を削ぐ可能性があるからで
す。社長さんであれば、最初はたどたどしくても熱意が
社内でいちばん高いため、社員さんにも伝わるはずで
す。それに、「教えることは学ぶこと」という言葉があるよ
うに、実は、このやり方でいちばん能力が向上するの
は、教える側の社長さん自身でもあるのです。

先日、岡山労働局労働基準部賃金室より「平成26年度業務改善助成金に
ついての留意点」が出されました。

業務改善助成金における業務改善計画について、導入できる設備・器具は、
交付要領において「労働能率の増進に資する」ものとなっています。

そのため、業務改善計画には、現在の状況、新規設備による効果を
具体的に記載しなければなりません。

例えば、単に、LEDの設置など経費削減に関するもの、売上向上や
顧客満足度向上に関するもののみでは認められないことになりました。

http://okayama-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/chinginkankei/tyuushoukigyousienjigyou.html

●労働保険料の正しい計算方法

毎年6~7月は、労務関係の2大申告(届出)業務「労働保険料の年度更新」と
社会保険(健康保険・厚生年金)料の見直しを行う「算定基礎届」があります。
労働保険料の年度更新は、毎年4月1日~3月31日までを単位とし、
保険料は今年の分を前払いし、昨年前払いした分を精算する手続きを一度に行います。
労働保険料を正しく計算するうえで大事なことは、雇用保険、労災保険の対象者となる人を把握すること。
とくに、雇用保険では、保険年度の初日(4月1日)に64歳以上である一般被保険者は、
保険料が免除されるため区分しおきます。
(今、誰が被保険者なのか不明の場合、安定所へ行くと台帳で確認できます。)
また、取締役部長など取締役でありながら労働者身分を残している人(兼務役員といいます)は、
労働者として支払われている給与のみが対象となります。

休暇編「有給休暇規定は利用規定とともに」

【 年次有給休暇の定め方 】

第〇条 年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、
    別表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える
   (別表省略)
2 請求の時季が事業の正常な運営を妨げる場合には、別の日に振り替えることができる
3 年次有給休暇を取得する場合には、〇日前までに届け出ること

●よくある経営者の方の有給休暇に対する誤解
・パートタイマー等1週(ヵ月)の勤務日数が少ない社員には有給休暇はない(→あります)
・有給休暇は1年間で20日が限度である(→2年間持ち越せ、最大で40日になります)

【解 説】
今回より休暇編として、休暇規定の定め方についてお話しします。
休暇には、法律で決められている「法定休暇」と、会社が任意で定めることのできる「任意休暇」の2つがあり、
今回の「年次有給休暇」は「法定休暇」となります。
経営者の皆様からよくご相談を受けるのは、「有給休暇規定を書くと社員が休暇を自由に使うのでは」というご心配。
確かに規定することで、社員にもある程度の期待は生まれると思いますが、
定めなければ有給休暇は使えないという論理は通用しません。
定める際には、取得するときの方法とともに記載し、「〇日前までに届け出ること」と期限を設けます。
この「〇日前」ですが、期限を長くするほど取得しにくくなりますが、
判例では2日前までであれば認めなさいという例もありますので、参考にしてください。

前回から「採用は労務管理の入り口」をテーマに、お話ししています。

◆ 人材の採用で大事な2つの仕事
人材の採用には、大事な2つの仕事があります。
それは、「応募者の母数を増やすこと」と「採用の選考基準を定めること」です。
この2つの仕事は、まったく別の作業ですので、分けて考えなければいけません。

◆ “応募者の母数を増やす”ポイント
応募者の母数を増やす目的は、採用する側の選択の機会を広げるため。
より多くの候補者から選ぶほうが自社にふさわしい人材に出会う確率が高まります。
母数を増やすためには、まず、
①応募する側の気持ちになり、どんなことを知りたいのか等を考え、求人の原稿を作ります。次に、
②ハローワークを含めホームページ、求人広告、紹介等あらゆる媒体を利用し発信することです。
来店型のお店をしている方は、必ず店内にも求人を貼ってください。

◆ “採用の基準を定める”ポイント
せっかく母数が増えても、そこから自社にふさわしい求人を見極めることができなければ意味がありません。
まず、
①自社にとってどのような人材が必要かを書き出し、検討します。そのあと、
②その人材を見極める質問を考えます。
とくに、いくらよい人材でもこの条件にあてはまる(はまらない)と採用しないという判断軸を持つことが重要です。
よく経営者の方から伺うのは「繁忙で急いで採用すると失敗した」という言葉。
私も同感です。

●社会保険料を抑える方法

毎年4・5・6月に支払った社会保険料の額により
9月から1年間の社会保険料が決まるため、
この時期、勤務時間数が多くなり、残業代などが増えると、
その分、社会保険料が増える可能性があります。
この時期の勤務時間を他の時期と同等に抑えることは、
社会保険料を適法に抑える手段の1つです。
また、社会保険料を決める元になる、“標準報酬月額”は、
総支給額のいくら(下限)からいくら(上限)までを
標準報酬月額〇〇円とするという決め方をしていますので、
なるべく上限の額の手前に収まるよう給与(総支給額)を決めることが、
上手な標準報酬月額の設定方法になります。
この方法は、日給や時間給制など給与が毎月、変動する方への適用は難しいので、
あらかじめ月の就労時間を決めておくとよいでしょう。

原則編「何を、どこまで作るのか?」

【 就業規則の作りこむレベル 】
●社員間の信頼度が高い
・ 規則は、おおまかでもよい
・ 慣習(明確に決めているわけではないが、職場で定着していること。
 今いるメンバーがいなくなるとなくなってしまうルール)となっていることを
 明確にすることでより信頼感が増すことを心がける
●社員間の信頼度が低い
・ 規則は、ある程度細かく作るほうがよい
・ 現在、あいまいになっている慣習を明確にすることで、人事労務管理の方針をあきらかにする
●創業時または初めて規則を作る場合
・ 日々の労務管理に役立てるよう、規則の中から大事な部分を抜粋し、要約して伝える

【解 説】
前回より原則編として「そもそも、なぜ就業規則をつくるのか?」について考えました。
今回は、「それでは就業規則は、何を、どこまで作るのか?」について、考えてみたいと思います。
就業規則を作る目的が明確になれば、「何を、どこまで作るか」が見えてきます。
作る目的が、助成金で添付が義務付けられているから作るなど消極的な理由であれば、
法的に必要な最低限の内容を網羅する方法もあります。
社員が10人以上になったので、そろそろ労働条件をきちんとしておきたいという積極的な理由であれば、
法的に必要な内容を抑えたうえで、現在の労働条件を整理するべきでしょう。
また、人材採用のためであれば、特別休暇を規定するなど、会社の特徴を出していくことも必要でしょう。
目的が明確であれば、作る内容も定まってきます。

前回から「採用は労務管理の入り口」をテーマに、お話ししています。

◆ 質問は3つに分ける
面接時における質問内容を分類すると、3つに分けて考えます。
すなわち、①意欲、②専門性、③資質・人間性に関するものです。
◆ 3つの質問
①意欲を測るには、志望動機を尋ねることです。
履歴書に書いた志望動機がとおりいっぺんのものではないか、
自分の言葉で書いているか、客観的にみて納得のいくものかをチェックするとよいでしょう。

②専門性を測るには、職務経歴書の提出を必須にし、書いてある内容を確認します。
ただし、経験や資格があっても期待する成果を得る人でなければ意味がありませんので、
前職において自発的にしたことで成果があったことがないか、インタビューしてください。

③資質・人間性ですが、この見極めはいちばん難しいでしょう。
資質・人間性を知るには、言葉の内容よりもその人の視線や雰囲気を観察することが、
より正確に把握できる方法でないかと思います。
この力を養うには、他の人の言動や行動に注意を払い、
場数を踏むこと(多くの人に会うこと)でしょう。

◆ 面接官は自分とよく似た人を選ぶ
面接官も人の子です。意識していないと、自分とよく似た性格の人物を採用します。
同じような性格の人が多くいる職場は一見、やりやすい反面、考え方や行動パターンが偏ることもあります。
なるべく、万遍なく違う性格の人を採用するよう心掛けてください。