社労士定期便


●労働保険料の正しい計算方法

毎年6~7月は、労務関係の2大申告(届出)業務「労働保険料の年度更新」と
社会保険(健康保険・厚生年金)料の見直しを行う「算定基礎届」があります。
労働保険料の年度更新は、毎年4月1日~3月31日までを単位とし、
保険料は今年の分を前払いし、昨年前払いした分を精算する手続きを一度に行います。
労働保険料を正しく計算するうえで大事なことは、
雇用保険と労災保険の対象者となる人を把握することです。
とくに雇用保険では、保険年度の初日(4月1日)に64歳以上である一般被保険者は、
保険料が会社、本人ともに免除されるため区分しておきます。
また、取締役部長など取締役でありながら労働者身分を残している人(兼務役員といいます)は、
労働者として支払われている給与のみが対象となります。

採用編「マイナンバーに対応した就業規則」

【マイナンバーに対応した就業規則の例】
1 従業員は採用の際、次の書類を提出しなければならない。
(1)……(略)
(5)個人番号カードまたは通知カード(提示)
2 在職中に上記提出書類の記載事項で、個人番号、氏名、現住所、家族の状況等に
  異動があった場合は速やかに会社に申告すること。
3 第1項第5号で取得する個人番号の利用目的は、次の各号の目的のために利用する。
  なお、社会保障や税の定められた書類に個人番号を記載することは法令で定められた義務であるため、
  従業員は提出及び利用を拒むことができない。
(1)給与所得・退職所得の源泉徴収事務
(2)健康保険・厚生年金保険届出・申請事務
(3)雇用保険届出・申請事務
(4)雇用関連の助成金申請事務

【解 説】
いよいよマイナンバー制度が来年1月から実施されます。
内閣府世論調査によると、マイナンバーについて内容まで知っている人は約30%ぐらいだそうです。
マイナンバー制度は個人情報保護法と違い、すべての事業者が対象となりますので、
大企業も小規模事業者も何らかの準備をしておく必要があります。
マイナンバーは、まず従業員から個人番号を預かることから始まります。
その際、個人番号の提供を拒まれることがあるかもしれません。(強制できない)
そこで、就業規則等で、個人番号の提供と、その利用範囲を明確にしておくことでスムーズな制度への対応が
できるのではないでしょうか。

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この時期、新入社員が入られて、教える機会が多いと思います。
今回は、前回に引き続き「教え方」についてお話しします。

◆ 徒弟制度に学ぶこと
職人の世界で親方から弟子が学ぶ徒弟制度というものがあります。
親方は弟子に細かく教えることはなく、
弟子は親方のやることを「見て盗む」というのが教え方になります。
徒弟制度は、厳しい修行をイメージしますが、
自分で考え工夫を重ねながら技術を身につけるため、
自分で考えることのできる「自立した人材」を育てることができるのが特徴でしょう。

◆ 知識を実践に活かす
最近は、スマホ片手に、インターネットですぐに検索することができるようになりました。
そのせいか、考えること(習慣)が少なくなってきたように思います。
知識はすぐに得ることができても、
知識を実践に活かすことが仕事ではとても大切であると思います。
徒弟制度は、教えすぎずに考えさせる教え方において参考になります。

◆ 認知的徒弟制度
この徒弟制度を意識して教えることができるようにしたのが「認知的徒弟制度」です。
教え方のポイントをご紹介すると、4つの順に実施します。
① モデリング…弟子は親方の作業を見て学ぶ
② コーチング…弟子のレベルにあわせ教える
③ スキャフォルデイング…できることは弟子に任せる
④ フェーディング…親方は少しずつ手を引いていく

● 社会保険料を適法に抑える方法

社会保険料の額は、毎年4・5・6月の間に支払った総支給額の平均額により決定されるため、
この時期の給与額はとても重要になります。
よく間違えられるのが4・5・6月「分」と思われている方が多いということ。
例えば、末締めで、翌月支払いの場合、4月分は5月中に支払います。
社会保険料の額を決定する際に算定する月は、
4・5・6月の間に支払った給与の総支給額になります。
末締め翌月支払いの場合、計算対象月でいうと
前月の3・4・5月分になりますので、注意しましょう。
また、4・5・6月の給与額で、今年9月以降の一年間の保険料が決定するため、
この時期の給与額を一定額に抑える(残業や休日出勤をしない、昇給時期をずらす等)ことで、
社会保険料の抑制につながります。

原則編「“思い”を伝え10年使える規則を作る」

【10年使える就業規則の作り方】
●前文に会社の理念を掲載する
・自社が何のために存在するのかを表したものが会社理念。理念と行動指針、
就業のルールがつながるため何のために仕事をするかを伝えることができる
●ですます調で柔らかい言葉にする
・就業規則は労働条件の一部であるため、法律上の権利と義務を明確にしておく必要がある。
そのため、難しい言い回しをすることで威厳を演出しているが、
職場のルールブックとしての役割を果たすために「ですます」調でわかりやすくする
●条文に会社の“思い”を注釈する
・なぜ、この条文を記載したのか、できれば右側に注釈を入れる。
今までの会社の積み重ねを伝えることで、自らの役割を理解してもらう

【解 説】
ご存知のとおり、就業規則は法律で常時使用する労働者が10名以上の事業所に作成と届出が義務付けられています。
また、作成の際、法律で決められた内容を記載しなければなりません。
その後、職場全体の労働条件(時間、休日等)を変更するときや法改正があったときは、
その都度、修正し、社員に意見を求め再度、届出をしていきます。
このようなことから、どうしても作成や手続きのほうについ目が向きがちです。
しかし、会社が発展するには、社員の成長や協力が欠かせません。
就業規則は、例えば、経営者と社員とで読み合わせをしたり、確認をしたりすることで、
「職場のルールブック」としての役割を果たすこともできますので、作るときより、
作ったあとを大事にしていただければと思います。

新入社員が入られて、教える機会が多いと思いま
す。今回は、「教え方」についてお話しします。
◆ 教えることは、二度学ぶこと
「教えることは、二度学ぶこと」とは、有名な経営コン
サルタントであるピーター・ドラッカーさんの言葉。
人に教えようと思うと、自分が学んだことを体系的に
整理しなければなりません。その過程で、もう一度、学
ぶことになります。教えることは、自分自身の成長にも
つながる機会でもあります。

◆ 教え方を学んでから教える
職場の評価基準として、何に重きを置くかは様々あ
りますが、人に教えることができる人を高く評価すること
は、業種を問わず、よい方法であると思います。
ところが、中には、どのように教えたらよいかわからな
い人もいますので、教え方のポイントを学んでから教え
るようにすると、少しは違うかもしれません。

◆ 教える方の熱意で差が出る
ここで、少し教え方のポイントをご紹介しましょう。
① やることを単純にする
難しい仕事も、区分(分解)していくとやることが単純
になってきます。仕事を分解して伝えましょう。
② 教える相手の現状を把握
相手がどのような状態にあるかをで、教え方も変わり
ます。まずは相手の現状を把握することです。
③ 相手の成長を願う
ある実験で、「この人は成長する」と思い教えるのと、
「どうせ無理だ」と思い教えるのとでは、結果に差が出
たとあります。結果は、当然、前者がよかったのです
が。教えることについては、やはり熱意も大事ですね。

参考:実例でわかる人事考課結果の昇給・昇格・賞与への活用のしかた(日本法令 菅野篤二)

● 社会保険料の控除のタイミング

質問:「新入社員の社会保険料を引かなければいけませんが、
   最初の給与から引いてもよいのでしょうか? 
   ちなみに当社は、20日締めの末日支払いです」

回答:社会保険料には4種類あります。
   即ち、雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険。
   このうち労災保険は全額会社負担なので給与から引くことはありません。
   また、雇用保険については、取得した日に対する給与から引くようになります。
   さて、問題は健康保険、厚生年金保険ですが、
   締日と入社日により差し引くタイミングが変わってきます。
   例えば、末日締めの翌月10日支払いですと、入社日にかかわらず、最初の給与から引きますが、
   20日締めの末日払いの場合、1日入社の場合は、次月の給与より引き、
   21~末日入社の場合は、最初の給与から健康保険、厚生年金保険を引くのが原則になります。

服務編「入社時に役立つ職場のルールブック」

●職場のルールブックとは
・職場で守るべきルールを明らかにしたもの。
 就業規則では表現しにくい「思い」の部分を伝えることで受け入れやすくなる。
●就業規則との違い
・就業規則は法律上、記載すべき事項が決まっているが、職場のルールブックに定型なし
・職場のルールブックは、イラストや図解で説明するため理解しやすい
●職場のルールブックの活用法
・入社時教育に使うことで、会社で守るべきマナーや価値観の浸透に役に立つ
・教育や指導の際の資料として使用できる
・上司が変わっても同じ内容で指導できる

【解 説】
職場のルールブックとは、職場で守るべきルール(規則)を明らかにしたものです。
就業規則との大きな違いは、「職場のルールブック」には、法律的な決まりがないことです。
したがって、職場のルールについて、重要なことや伝えたいことに絞って、
自由に表現することができます。
職場のルールブックでは、図解やイラストを多用するという特徴があります。
そのため、文章が中心の就業規則より読みやすく、ビジュアルで伝えることができるため、
理解を促すことができます。
また、新入社員教育や部下指導の際にも役に立たちますし、上司が異動や退職のため後任者と交代しても、
以前と同じ指導をすることができるのも職場のルールブックならではの特徴でしょう。

今回も、先月に引き続き「人事評価」に関することに
ついてお話しします。

◆ 評価制度は運用すること
人事評価制度を導入し、実際に運用していくには、
面談が欠かせません。
面談で話す内容は、次期の目標設定や前期のフィ
ードバックなどです。(途中、進捗状況の確認を行う面
談もあります)人事評価では、面談→実施→評価のP
DCサイクルを回すことが欠かせません。
評価制度だけを作って、面談など実際の運用をしな
いと、「仏作って魂入れず」ということになります。

◆ 面談では達成目標を設定
面談でどのような話しをすればよいのでしょうか。
管理者(上司)の役割の一つに、
①部下の能力を把握し、
②仕事に必要な能力を把握し、
③部下の能力を考えて部下に仕事を割り当てることがありますが、
その次に、割り当てた仕事の達成目標を設定しなければな
りません。
この達成目標の設定を面談で行うことになります。

◆ 面談で好循環を生む
面談の原則は、先に述べたとおりですが、目標の設
定に、面談を受ける部下自身の望む目標も盛り込むこ
とで、面談が有意義なものに変化します。
人事評価という制度は、能力開発の他に、意欲付け
(やる気の醸成)という側面もあります。
部下自らが掲げた目標が会社の事業計画と一致し
ているのであれば、目標の一つとすることで、人の成長
が会社の成長につながる好循環を生み出すことができ
るのではないでしょうか。

参考:実例でわかる人事考課結果の昇給・昇格・賞与への活用のしかた(日本法令 菅野篤二)

●日割り計算の方法

質問:「月給制で、計算期間の途中で入社もしくは退社した場合の
   計算方法について教えてください。」

回答:はい。月給制の場合、途中入社・退社があった場合、
   通常、日割り計算することになりますが、
   この日割り計算の方法について、法的に明確なルールはありません。
   就業規則に計算方法があれば、それ従うことになります。
   ただし、分母は、次の3つの方法のいずれかになります。 
   1ヵ月の所定内賃金  
   ―――――――――――――――  = 日割り額
   1ヵ月の所定労働日数
   (or 1年の平均所定労働日数 or 1ヵ月の歴日数)
   日割り計算の注意点としては、日割り額を控除する場合、
   労働者に不利とならないようにします。
   (具体的には端数を切り捨てます)

服務編「服務規律が労務管理の要」

●服務規律は職場のマナー、ルールを示すもの
・禁止事項「~してはいけない」
・義務事項「~しなければならない」
・推奨事項「しましょう」の3つを使い分ける

●服務規律の部分だけ独立させる
 ・服務規律の箇所を抜き書きして、「職場のルールブック」として、配布する。
 ・全社で統一した労務管理ができる、新入社員の研修にも使用できる活用法あり

●服務規律にお客様対応を加える
 ・服務規律に、お客様への対応を盛り込むことで、業績向上にもつながる

【解 説】
服務規律とは、ひと言でいえば、「職場のルール」を定めたものです。
ルールは会社によって様々であるため、その会社の独自色がよく出る箇所でもあります。
服務規律を定める目的は2つあると考えます。
①最低限のルールを記載することで、社員が懲戒事由にあたる行為をしないようにし、
職場全体の秩序を保つ防波堤としての役目
②働く環境をよくし、やる気を醸成する。敷いてはお客様への対応など会社全体の業績へつながる
もちろん、「やる気の醸成」は、服務規律の作成だけで向上するものではありませんが、
アメリカのホーソン工場の実験で、人間関係が作業能率向上に影響したという結果もあるように、
服務規律を作成し、運用することで職場風土を作る素地にはなるでしょう。

今回は、最近お問い合わせ、ご依頼の多い「人事評
価」に関することについてお話しします。

◆ 人事評価をする目的
人事評価制度を導入する目的を伺うと、「公正公平
な処遇をしたい」と答えられる会社や他にも「人材育
成」「人件費の抑制」など、導入の目的は様々です。
私は、上記のどれか一つだけが重要というわけでは
なく、すべてを考慮した評価制度を導入するべきであ
ると考えます。

◆ 何を評価するか
評価制度を作る場合、導入しやすい方法として、自
社にとって理想の社員(人物)像を思い浮かべ、その
社員(像)のもっている「要素」を考えることです。
要素は「情意」「能力」「成果」の3つに大きくわけられ
ますので、バランスよく考えましょう。
管理職の場合は、部下を指導して「成果」を出すこと
がありますので「リーダーシップ」の要素を加えます。

◆ どう評価するか
何を評価するかが決まったら、最後にどう評価する
かになります。
評価は、小規模事業所であれば、シンプルに「でき
る」「できない」の2者択一がよいでしょう。
よく評価点数を用いますが、点数は中心化傾向(真
ん中の数字を選ぶ)になりやすく、また、なぜその点数
なのかを説明しなければならなくなります。
「できるか」「できないか」であれば、社長さんが中心
となる小規模事業所でも簡単に評価ができます。
また、「どうすればできるようになるか」を話しあうこと
で、人材育成にもつながります。

●年俸制は残業代が不要?

「うちは年俸制で給与を決めているから、残業代はいらんよ」
ということを、たまにお聞きします。
年俸制は、1年間の所定労働時間に対して、給与を決めるもので、
1ヵ月の所定労働時間に対して、給与を決める月給制と制度として大きな違いはありません。
対象となる期間が1年か1ヵ月かという違いだけですので、
年俸制であっても時間外労働があれば、残業代は必要となります。
また、年俸額を月給12ヵ月分、賞与年4ヵ月分の計16に分割して支給する場合でも、
残業代を算出する際の基礎賃金は、
年棒額を12ヵ月で割った額を1ヵ月の所定内賃金相当額として計算します。
原則として、年俸制は年間で成果を出す管理者向けであり、
新入社員や一般職には向かない方法です。
導入にあたっては、残業代のことも考慮しましょう。

原則編「就業規則の種類と改正パート法」

【 パート就業規則に定める内容 】
●労働条件通知書で通知義務のある「昇給」「賞与」「退職金」の有無を記載する

●今回の改正前からある「正社員への転換制度」について記載する

●今回の改正で加わる、「賃金の決定方法」「教育訓練の実施」「福利厚生施設の利用」
などの雇用管理制度と「相談窓口」について記載する

●正社員とパートとの「人事異動」「責任の度合い」の違いなどを明示しておく

●正社員とパートで異なることが多い「休職」「特別休暇」の違いなどを明示しておく

【解 説】
前回、「10人未満でも就業規則は作ったほうがよいか」という質問についてお話ししました。
さて、今回は就業規則の種類のお話しです。
通常10人以上の事業所では、就業規則の他に賃金規程や育児介護休業規程など別規程を作成されていることと思います。
それらの「規程」は名称は違っても、法律上の就業規則と同様に扱われます。
4月に改正パートタイム労働法が施行されます。
今回の改正のポイントは、雇用管理制度の説明義務が加わったことです。
今までは、パート社員から要望があれば説明する義務がありました。
今回から採用する側から説明しなければなりません。
小規模の事業所であれば、就業規則は1つの規則を正社員もパートも使っています。
今回の改正をふまえ、パート社員用の就業規則を作成したほうが説明義務を果たすのに使いやすいかもしれません。

●給与から控除できるもの、できないもの

賃金支払いの5原則から、給与を支払うときは、その全額を直接、
本人に支払わなければならないとされています。
ただし、法令に定めがある税金や社会保険料は、給与から控除(差し引くこと)できます。
その他、昼食代、旅行の積立金等は、労使協定を結ぶことで控除することができます。
ところで、資格取得費用を会社が負担し、
資格を取得した直後に自己都合退職を申し出た社員の給与から、
資格取得にかかった費用を控除することはできるのでしょうか?

結論からいいますと、労基法第16条「賠償額予定の禁止」に触れるため、無理でしょう。
ただし、賃金から直接控除するかどうかは別にして、個別にその社員と契約をしている、
その研修が業務に直接、役に立つものではない等、一定の要件を満たすことで、
例外的に認められる場合もあります。

原則編「就業規則は必要なのか?」

【 就業規則に定めることで効力があるもの 】
●行方不明となった場合の退職の扱い
※左の記事を参照してください
●法定内残業の計算方法
・所定時間を超え法定労働(8時間)までの計算方法は法律に明記されていません。
 就業規則に記載することで任意に決定することが可能
●時給者の有給休暇の計算
・有給休暇を取得した場合の賃金の算出方法には3つあります。
 このうち「平均賃金」を用いる場合は就業規則への記載が必要
●残業・休日労働の命令
・判例は、就業規則に記載することで時間外労働義務が発生するという説をとっている
●懲戒処分
・あらかじめ就業規則に記載がなければできないという考えのほうが無難である

【解 説】
以前にも一度、このコーナーで紹介しましたが、たまに「就業規則は作ったほうよいのでしょうか?」
という質問をいただきます。
法律上、就業規則は10人未満の事業所では作成、届出義務がありません。
必要ないから作らなくてよい、というのは短絡的な考え方です。
というのも日々の労務管理において、就業規則へ記載しておくことで効力があり実務に役に立つものがあります。
例えば、急に社員が出社しなくなり、連絡がとれなくなったとき。
解雇しようにも解雇の通告は相手に到達しなければ効力がありません。
裁判所で公示する方法で、それに変えることができますが、それも手間です。
そういうとき、就業規則の退職事由に「音信普通となり、30日を経過したとき退職とする」
という内容を記載することで、裁判所の手続きを経ることなく退職扱いとすることが可能となります。

前回より「採用・面接」に関することについてお話しし
ています。

◆ ランチェスター弱者の戦略とは
ランチェスター法則には2つありますが、そのうち「弱
者の戦略」とは、競争条件の不利な方がとるやり方にな
ります。求人において、「弱者の戦略」をとるべき方は、
小規模の企業等知名度の低い会社になります。
そして、「弱者の戦略」に基づく採用は、自社にふさ
わしい社員をいかに効果的に採用するかになります。

◆ どこで、どのような人を採用したいか
自社にふさわしい社員を効果的に採用するために
は、まずどこの地域で、どのような人を採用するか目標
を決めることになります。
パート、アルバイト等は自宅から近い会社を選ぶ傾
向にあります。正社員は多少、自宅から遠くても応募し
てくる可能性はありますが、地域でどのような職種を、
どのぐらいの人が希望しているのか、情報収集すること
がまず欠かせません。
そのような情報は、会社の所在地を管轄するハロー
ワークへ行くと、すぐに資料は手に入ります。

◆ 求職者が知りたい情報を伝える
目標が決まったら、伝える内容や伝え方になります。
前回もお伝えしましたが、求職者が何を知りたいか、ま
ずその情報を伝えることが大事です。その手段として、
自社のホームページやブログ、動画などの活用が考え
られます。
伝える内容としては、会社の理念、方針、今までの
取り組み、将来の目標なども入れましょう。自社の波長
にあった求職者と出会えるアンテナになります。

●賞与の決め方

賞与の決め方にはいくとおりかの方法があります。
一般的に多いのが基本給の○ヵ月分という決め方。
この決め方は、社員さんにも支給額が予測できるため、
生活設計が立てやすくなります。
最近、お客様からの要望で、ご提案しているのが、ポイント制です。
ポイント制とは、まず人事評価をして、各社員の獲得ポイントを決めます。
そのポイントを合計して、賞与の原資を合計ポイントで割ると、1ポイントあたりの単価が出ます。
その単価に自分の獲得ポイントをかけるというやり方です。
ただし、この方法は、今まで基本給×○ヵ月分という決め方をしていた会社がいきなり導入すると、
生活設計を立てにくくなり、不満の種となることがあります。
そこで、例えば基本給の2ヶ月分を今まで賞与として支給していたのであれば、
1ヵ月分は固定給のように支給し、もう1ヵ月分をポイント制にするやり方もあります。

業務編「クレーム対応規定」

【 クレーム対応規定作成のヒント 】
●クレームに対する自社の考え方を明確にする
・クレームは大切な財産である
・クレーム発生に対し社員を責めることはない
●クレームのレベルを決める
①軽微…その場で解決するもの
②一般…その場で解決せず、原因の解明が必要
③重要…原因の解明と全社的な対応が必要
●レベルに応じた処理を決める
①軽微レベル…その場で対応、パートが受けた場合正社員へ引き継ぐ
②一般レベル…担当部署が対応する
③重要レベル…速やかに社長に報告し
担当する特別チームを編成する

【解 説】
クレームは貴重な「情報収集源」であり、お客様との信頼関係を深めるチャンスにもなります。
そのように捉えれば、会社にとって決して不利益なことではありません。
ただし、クレーム対応をする社員が委縮してしまったり、部署内でたらい回しにしたりすると、
お客様の不満をあおることになりますので、クレーム対応に関する会社の姿勢を明確にするため、
規定をしっかり定めておくことが大切です。
クレーム対応は、初期対応が重要です。最初に対応する社員がパートや契約社員であっても、
クレームの内容によって対応できるのであれば、したほうがよいでしょう。
会社がバックアップすることを約束すれば社員も前向き対応することができるでしょう。