社労士定期便


厚生労働省は、2014年度の雇用調整助成金の支給について、
前年度から87%減の約69億円だったと発表した。
直近の完全失業率が18年ぶりの低い水準となるなど、
景気回復に伴い企業業績や雇用情勢が改善したことが
その背景にある。

◆「ゆう活」
このほど、国家公務員は、勤務時間を1~2 時間ほど前倒しする
「朝型勤務」を始めました。
早く仕事を開始し、早めに終え、
夕方の空いた時間を活用して好きなことをしましょうという意図があるそうです。
名付けて「ゆう活」といいます。
また、ある会社では「早朝出勤制度」を奨励しています。
夜、残業をするより、早朝の電話連絡などお客対応がない時間帯に
集中して業務に取り組むことで効率をあげ、残業代の削減にもつなげようという狙いです。

◆効果的な時間の使い方
「ゆう活」や「早朝出勤制度」に不向きな会社、業種もありますので、
すべてに適用することはできませんが、
「ゆう活」も「早朝出勤制度」もいかに時間を効果的に使うか、
「時間の使い方」という観点に着目すれば、
不向きな業種でも、検討する余地はありそうです。
例えば、社員間で交代して事務業務だけを集中し
て行う時間を作るなど工夫すれば、
同様の効果を得られるのではないかと思いました。

◆朝型人間、夜型人間
ところで、人には体質的に朝型・夜型があるそうです。
(自分の型を知りたい方は、
国立精神・神経医療研究センター精神生理研究部のチェックシートが参考なります。
「朝型夜型質問紙」と検索)
私自身、朝は苦手な方ですが、早朝から仕事にとりかかると、
仕事がはかどります。
それは集中して、一つのことに取り組むことができるからです。
時間帯よりも時間に対してどのように意識するかが大事なのではないかと思います。

●賞与の支払いと各種控除額の計算方法

賞与における控除項目と計算方法は、毎月の給与とは異なります。
(1)健康保険・介護保険・厚生年金保険料
 標準賞与額(千円未満の端数切捨て)×保険料率
(2)雇用保険料
 賞与(総支給)額×保険料率
(3)所得税
 賞与用の税率表を用いて税額を算出する(例外あり)
(4)住民税
 控除しない
(5)協定控除
 労使協定に基づいて、控除する
 また、健康保険、厚生年金保険の被保険者は、賞与の支払い日から5日以内に賞与支払届を作成し、
提出するようになりますので、忘れないようにしましょう。

採用編「内定者の入社取消を行うときのポイント」

【個人番号漏えい防止に備えた就業規則の記載例】
(服務規律)
第〇条 従業員は他の従業員や職務上知り得た第三者の個人情報(個人番号を含む)について、
漏らしてはならない。

(懲 戒)
第〇条 従業員が次の各号に該当する場合は、〇〇処分とする。
但し反省が見られ特別に情状が認められたときには前項の処分に留めることがある。
 〇号 従業員の過失で個人番号が漏えいした

(損害の賠償)
第〇条 従業員が、故意または過失によって番号法等に違反し、
個人番号を漏えいするなどして会社に損害を与えた場合には、
その全部または一部を賠償しなければならない。

【解 説】
6月号でマイナンバー法を反映した就業規則の規定例をご紹介しました。
ナンバー法では、個人番号の利用目的を最初に特定し通知しなければなりません。
6月号には掲載しておりますが、会社が利用する個人番号には、従業員の家族の番号も含まれ、
従業員ではない家族のことについて就業規則に記載することはいかがであるかという結論にいたり、
私自身「現在」は、就業規則に利用目的を掲載することをお勧めしておりません。
ですが、従業員さんが会社に対し、個人番号の提供を拒否するケースも考えられるため、
個人番号の提供について協力を求める規定を就業規則へ記載しておく必要はあるでしょう。
ただし、提出がない場合、会社として懲戒処分を行うなどは、
提出しない従業員がマイナンバー法違反になるわけではないなどから行き過ぎの感はあります。

◆ 3Sは内面にも影響をもたらす
製造業の方にとっては日常的だと思いますが、
3S「整理、整頓、清掃」という言葉があります。
(ちなみ、これに「清潔、躾」を加えて、5S という言い方もあります)
この3S を徹底的に実行し、究めることで社員の「心」まで変化させた会社があります。
3S を実行したぐらいで何が変わるのかという疑問がわくかもしれませんが、
「室内の乱れは、心の乱れを映す鏡」といわれるように、
3S は人の内面にも影響をもたらすのかもしれません。

◆ 3Sを継続維持するために
この会社でも、以前より3S はやっていたそうですが、
その取り組み内容は中途半端なものだったそうです。
ですから、再び「3S をやるぞ」と社長さんが声をあげても、
「どうせ、また中途半端なことになる」という雰囲気が社員の間に流れたそうです。
そこで、社長は本気度を示すために、社内に協力者が一切いない中で、
一人3S 活動を始めていきました。
私はここがポイントであると思っていて、トップである社長自身が「変わりたい」と誓うことで、
3S を通じて、社員の心を変えていくことができたのではと思います。

◆ 3Sを実行すると仕事が楽しくなる
こちらの会社の社長さんによると、3Sを実行すると書類やモノを探すストレスが軽減され、
仕事が楽しくなったそうです。
書類やモノを探す時間は生産性のない時間ですので、
作業効率のアップを図れるだけでなく、残業時間の削減にも通ずるところがあるので、
一石三鳥以上の効果が期待できるのではと思います。

●社会保険料適正化(節減)5つの方法

社会保険料を適正化(節減)する方法は限定されているといってよいでしょう。
①4、5、6月の残業を減らす
・保険料は4~6月に支給した給与で決定されます
②昇給月を7月にする
・上記から4~6月の期間を外して昇給します
③標準報酬月額保険料表の幅におさめる
・保険料は等級により給与月額に幅があります
④賞与を給与に加算する
・厚生年金保険料は62万円が上限です。
 つまり、この額以上であれば保険料は変わらないということです。
⑤賞与を年1回の支給にする
・賞与にも上限額があります。これを利用します
 なお、④⑤は役員等限られた社員にしか適用しにくいため、
 一般社員には①~③がやりやすいでしょう。

採用編「内定者の入社取消を行うときのポイント」

【入社承諾書】
※内定者からは、必ず入社承諾書を得ておきます。
入社承諾書(例)
 私は貴社に入社することを承諾するとともに、入社日である〇月〇日までに、
 下記の事由が生じた場合には、内定が取り消されることに同意します。
1 入社日までに現在在籍している学校を卒業できないことが判明したとき
2 提出された書類の内容や入社面談時に確認した事項が事実と異なるものであったとき
3 傷病により正常な勤務ができないと判断されたとき
4 貴社から指示された書類を指定期日までに提出しなかったとき
5 その他、貴社で就労が継続できない事由が発生したとき

【解 説】
面接後に採用の内定を出し者(内定者)に対する入社取消しを行うときは、
注意すべきポイントがありますので押えておきたいところです。
まず、内定を出したあとの取消しは、実は「解雇」と同じ扱いになります。
したがって、解雇をするときと同じように「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である」
と認められることが必要です。
「本当は高卒なのに大卒と偽った」「経理経験がないのにあると言った」など学歴や経歴を詐称しても、
そのことがわかっていれば絶対に採用しなかったという重大な内容でなければ、
内定者に対する解雇は認められないというのが判例から導き出された考えです。
ところで、解雇なので30日前予告が必要であるのか、という疑問がわきますが、
内定者に対してはないと考えてよいでしょう。

・非正規雇用労働者の正社員転換、処遇改善に取り組む事業主への支援
・「多様な正社員」の普及・拡大
・雇用管理改善による「魅力ある職場づくり」の推進、
・労働市場インフラの戦略的強化
政府は、上記の重点施策を実施するため、雇用関係助成金の一部を見直しました。
各助成金の詳細は、厚生労働省ホームページからご覧いただけます。

<新設・見直し助成金>
 A.雇用維持関係の助成金
    ※新設・見直し助成金なし

 B.再就職支援関係の助成金
  ○ 労働移動支援助成金(受入れ人材育成支援奨励金/早期雇入れ支援)

 C.高年齢者・障害者等関係の助成金
  ○ 特定求職者雇用開発助成金
      1 特定就職困難者雇用開発助成金
      2 高年齢者雇用開発特別奨励金
      3 被災者雇用開発助成金
  ○ 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金
  ○ 障害者雇用安定奨励金
      1 障害者職場定着支援奨励金
      2 訪問型職場適応援助促進奨励金
      3 企業在籍型職場適応援助促進助成金
  ○ 障害者職場復帰支援助成金
  ○ 障害者職業能力開発助成金

 D.雇入れ関係のその他の助成金
  ○ トライアル雇用奨励金

 E.雇用環境の整備関係等の助成金
  ○ 職場定着支援助成金
      1 個別企業助成コース
  ○ 建設労働者確保育成助成金

 F.仕事と家庭の両立支援関係の助成金
  ○ 両立支援助成金
      1 事業所内保育施設設置・運営等支援助成金
      2 中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース)
      3 中小企業両立支援助成金(期間雇用者継続就業支援コース)

 G.キャリアアップ・人材育成関係の助成金
  ○ キャリアアップ助成金
  ○ キャリア形成促進助成金
  ○ 企業内人材育成推進助成金

【事業主の方のための雇用関係助成金】

  雇用関係助成金についての説明の最初のページです。
   http://krs.bz/roumu/c?c=11038&m=7933&v=addb8de8

【「雇用関係助成金」検索表】

  取組内容などから活用を検討する助成金を調べることができます。
   http://krs.bz/roumu/c?c=11039&m=7933&v=2cfee8cf

【雇用関係助成金申請等受付窓口一覧】

  最寄りの受付窓口を確認できます。
   http://krs.bz/roumu/c?c=11040&m=7933&v=b1864dfe

◆ 年間休日140 日の会社
「年間140 日の休日がある会社」と聞くと、ピンと来られる方も多いかと思いますが、
岐阜県の電気設備資材メーカー未来工業の創業者の一人、
山田昭男さんは、“型破り”な経営で有名でした。(昨年、逝去)
型破り経営の裏側には、徹底的な他社との差別化がありました。
中小企業だからできない、我々の業界は特殊だからという「マイナス思考」は一切ありません。
他社がしていないことをしてやろう、という前向きさの一つの形が、
年間休日数の多さなのでしょう。

◆ 社長の仕事は戦略を考えること
山田さんの言葉をお借りすると、未来工業の差別化は
「工夫をする」という考え方で表現されます。
他社がしていない「工夫をする」ことで、お客様から喜ばれる、
それが発展につながったそうです。
その工夫は、山田さんがしたかというと、
そうではなく山田さんは方針を考えることだけに専念していました。
山田さんは、きっぱり言います。
「社長は現場の仕事をするな、社長は戦略を考えるのが仕事」と。
社長が戦略(方針、やり方)を考え、社員が戦術(工夫、実行)を行う。
型破りと言われながら、理に適った経営をされていることが、ここでもよくわかります。

◆ 年間休日140 日の“真”の意味
社長の仕事が戦略であれば、社員の仕事は戦術になりますが、
いくら社長が素晴らしい戦略を考えても、
それが実現できなければ意味がありません。
年間休日140 日をはじめ、戦術を担う社員が気持ちよく働けるようにすることは結局、
社長の考えを現実化することに通じると思います。

●労働保険料の正しい計算方法

毎年6~7月は、労務関係の2大申告(届出)業務「労働保険料の年度更新」と
社会保険(健康保険・厚生年金)料の見直しを行う「算定基礎届」があります。
労働保険料の年度更新は、毎年4月1日~3月31日までを単位とし、
保険料は今年の分を前払いし、昨年前払いした分を精算する手続きを一度に行います。
労働保険料を正しく計算するうえで大事なことは、
雇用保険と労災保険の対象者となる人を把握することです。
とくに雇用保険では、保険年度の初日(4月1日)に64歳以上である一般被保険者は、
保険料が会社、本人ともに免除されるため区分しておきます。
また、取締役部長など取締役でありながら労働者身分を残している人(兼務役員といいます)は、
労働者として支払われている給与のみが対象となります。

採用編「マイナンバーに対応した就業規則」

【マイナンバーに対応した就業規則の例】
1 従業員は採用の際、次の書類を提出しなければならない。
(1)……(略)
(5)個人番号カードまたは通知カード(提示)
2 在職中に上記提出書類の記載事項で、個人番号、氏名、現住所、家族の状況等に
  異動があった場合は速やかに会社に申告すること。
3 第1項第5号で取得する個人番号の利用目的は、次の各号の目的のために利用する。
  なお、社会保障や税の定められた書類に個人番号を記載することは法令で定められた義務であるため、
  従業員は提出及び利用を拒むことができない。
(1)給与所得・退職所得の源泉徴収事務
(2)健康保険・厚生年金保険届出・申請事務
(3)雇用保険届出・申請事務
(4)雇用関連の助成金申請事務

【解 説】
いよいよマイナンバー制度が来年1月から実施されます。
内閣府世論調査によると、マイナンバーについて内容まで知っている人は約30%ぐらいだそうです。
マイナンバー制度は個人情報保護法と違い、すべての事業者が対象となりますので、
大企業も小規模事業者も何らかの準備をしておく必要があります。
マイナンバーは、まず従業員から個人番号を預かることから始まります。
その際、個人番号の提供を拒まれることがあるかもしれません。(強制できない)
そこで、就業規則等で、個人番号の提供と、その利用範囲を明確にしておくことでスムーズな制度への対応が
できるのではないでしょうか。

雇用関係助成金のご案内 ~雇用の安定のために~【詳細版】↓
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/koyouantei.html

この時期、新入社員が入られて、教える機会が多いと思います。
今回は、前回に引き続き「教え方」についてお話しします。

◆ 徒弟制度に学ぶこと
職人の世界で親方から弟子が学ぶ徒弟制度というものがあります。
親方は弟子に細かく教えることはなく、
弟子は親方のやることを「見て盗む」というのが教え方になります。
徒弟制度は、厳しい修行をイメージしますが、
自分で考え工夫を重ねながら技術を身につけるため、
自分で考えることのできる「自立した人材」を育てることができるのが特徴でしょう。

◆ 知識を実践に活かす
最近は、スマホ片手に、インターネットですぐに検索することができるようになりました。
そのせいか、考えること(習慣)が少なくなってきたように思います。
知識はすぐに得ることができても、
知識を実践に活かすことが仕事ではとても大切であると思います。
徒弟制度は、教えすぎずに考えさせる教え方において参考になります。

◆ 認知的徒弟制度
この徒弟制度を意識して教えることができるようにしたのが「認知的徒弟制度」です。
教え方のポイントをご紹介すると、4つの順に実施します。
① モデリング…弟子は親方の作業を見て学ぶ
② コーチング…弟子のレベルにあわせ教える
③ スキャフォルデイング…できることは弟子に任せる
④ フェーディング…親方は少しずつ手を引いていく

● 社会保険料を適法に抑える方法

社会保険料の額は、毎年4・5・6月の間に支払った総支給額の平均額により決定されるため、
この時期の給与額はとても重要になります。
よく間違えられるのが4・5・6月「分」と思われている方が多いということ。
例えば、末締めで、翌月支払いの場合、4月分は5月中に支払います。
社会保険料の額を決定する際に算定する月は、
4・5・6月の間に支払った給与の総支給額になります。
末締め翌月支払いの場合、計算対象月でいうと
前月の3・4・5月分になりますので、注意しましょう。
また、4・5・6月の給与額で、今年9月以降の一年間の保険料が決定するため、
この時期の給与額を一定額に抑える(残業や休日出勤をしない、昇給時期をずらす等)ことで、
社会保険料の抑制につながります。

原則編「“思い”を伝え10年使える規則を作る」

【10年使える就業規則の作り方】
●前文に会社の理念を掲載する
・自社が何のために存在するのかを表したものが会社理念。理念と行動指針、
就業のルールがつながるため何のために仕事をするかを伝えることができる
●ですます調で柔らかい言葉にする
・就業規則は労働条件の一部であるため、法律上の権利と義務を明確にしておく必要がある。
そのため、難しい言い回しをすることで威厳を演出しているが、
職場のルールブックとしての役割を果たすために「ですます」調でわかりやすくする
●条文に会社の“思い”を注釈する
・なぜ、この条文を記載したのか、できれば右側に注釈を入れる。
今までの会社の積み重ねを伝えることで、自らの役割を理解してもらう

【解 説】
ご存知のとおり、就業規則は法律で常時使用する労働者が10名以上の事業所に作成と届出が義務付けられています。
また、作成の際、法律で決められた内容を記載しなければなりません。
その後、職場全体の労働条件(時間、休日等)を変更するときや法改正があったときは、
その都度、修正し、社員に意見を求め再度、届出をしていきます。
このようなことから、どうしても作成や手続きのほうについ目が向きがちです。
しかし、会社が発展するには、社員の成長や協力が欠かせません。
就業規則は、例えば、経営者と社員とで読み合わせをしたり、確認をしたりすることで、
「職場のルールブック」としての役割を果たすこともできますので、作るときより、
作ったあとを大事にしていただければと思います。

新入社員が入られて、教える機会が多いと思いま
す。今回は、「教え方」についてお話しします。
◆ 教えることは、二度学ぶこと
「教えることは、二度学ぶこと」とは、有名な経営コン
サルタントであるピーター・ドラッカーさんの言葉。
人に教えようと思うと、自分が学んだことを体系的に
整理しなければなりません。その過程で、もう一度、学
ぶことになります。教えることは、自分自身の成長にも
つながる機会でもあります。

◆ 教え方を学んでから教える
職場の評価基準として、何に重きを置くかは様々あ
りますが、人に教えることができる人を高く評価すること
は、業種を問わず、よい方法であると思います。
ところが、中には、どのように教えたらよいかわからな
い人もいますので、教え方のポイントを学んでから教え
るようにすると、少しは違うかもしれません。

◆ 教える方の熱意で差が出る
ここで、少し教え方のポイントをご紹介しましょう。
① やることを単純にする
難しい仕事も、区分(分解)していくとやることが単純
になってきます。仕事を分解して伝えましょう。
② 教える相手の現状を把握
相手がどのような状態にあるかをで、教え方も変わり
ます。まずは相手の現状を把握することです。
③ 相手の成長を願う
ある実験で、「この人は成長する」と思い教えるのと、
「どうせ無理だ」と思い教えるのとでは、結果に差が出
たとあります。結果は、当然、前者がよかったのです
が。教えることについては、やはり熱意も大事ですね。

参考:実例でわかる人事考課結果の昇給・昇格・賞与への活用のしかた(日本法令 菅野篤二)

● 社会保険料の控除のタイミング

質問:「新入社員の社会保険料を引かなければいけませんが、
   最初の給与から引いてもよいのでしょうか? 
   ちなみに当社は、20日締めの末日支払いです」

回答:社会保険料には4種類あります。
   即ち、雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険。
   このうち労災保険は全額会社負担なので給与から引くことはありません。
   また、雇用保険については、取得した日に対する給与から引くようになります。
   さて、問題は健康保険、厚生年金保険ですが、
   締日と入社日により差し引くタイミングが変わってきます。
   例えば、末日締めの翌月10日支払いですと、入社日にかかわらず、最初の給与から引きますが、
   20日締めの末日払いの場合、1日入社の場合は、次月の給与より引き、
   21~末日入社の場合は、最初の給与から健康保険、厚生年金保険を引くのが原則になります。

服務編「入社時に役立つ職場のルールブック」

●職場のルールブックとは
・職場で守るべきルールを明らかにしたもの。
 就業規則では表現しにくい「思い」の部分を伝えることで受け入れやすくなる。
●就業規則との違い
・就業規則は法律上、記載すべき事項が決まっているが、職場のルールブックに定型なし
・職場のルールブックは、イラストや図解で説明するため理解しやすい
●職場のルールブックの活用法
・入社時教育に使うことで、会社で守るべきマナーや価値観の浸透に役に立つ
・教育や指導の際の資料として使用できる
・上司が変わっても同じ内容で指導できる

【解 説】
職場のルールブックとは、職場で守るべきルール(規則)を明らかにしたものです。
就業規則との大きな違いは、「職場のルールブック」には、法律的な決まりがないことです。
したがって、職場のルールについて、重要なことや伝えたいことに絞って、
自由に表現することができます。
職場のルールブックでは、図解やイラストを多用するという特徴があります。
そのため、文章が中心の就業規則より読みやすく、ビジュアルで伝えることができるため、
理解を促すことができます。
また、新入社員教育や部下指導の際にも役に立たちますし、上司が異動や退職のため後任者と交代しても、
以前と同じ指導をすることができるのも職場のルールブックならではの特徴でしょう。

今回も、先月に引き続き「人事評価」に関することに
ついてお話しします。

◆ 評価制度は運用すること
人事評価制度を導入し、実際に運用していくには、
面談が欠かせません。
面談で話す内容は、次期の目標設定や前期のフィ
ードバックなどです。(途中、進捗状況の確認を行う面
談もあります)人事評価では、面談→実施→評価のP
DCサイクルを回すことが欠かせません。
評価制度だけを作って、面談など実際の運用をしな
いと、「仏作って魂入れず」ということになります。

◆ 面談では達成目標を設定
面談でどのような話しをすればよいのでしょうか。
管理者(上司)の役割の一つに、
①部下の能力を把握し、
②仕事に必要な能力を把握し、
③部下の能力を考えて部下に仕事を割り当てることがありますが、
その次に、割り当てた仕事の達成目標を設定しなければな
りません。
この達成目標の設定を面談で行うことになります。

◆ 面談で好循環を生む
面談の原則は、先に述べたとおりですが、目標の設
定に、面談を受ける部下自身の望む目標も盛り込むこ
とで、面談が有意義なものに変化します。
人事評価という制度は、能力開発の他に、意欲付け
(やる気の醸成)という側面もあります。
部下自らが掲げた目標が会社の事業計画と一致し
ているのであれば、目標の一つとすることで、人の成長
が会社の成長につながる好循環を生み出すことができ
るのではないでしょうか。

参考:実例でわかる人事考課結果の昇給・昇格・賞与への活用のしかた(日本法令 菅野篤二)

●日割り計算の方法

質問:「月給制で、計算期間の途中で入社もしくは退社した場合の
   計算方法について教えてください。」

回答:はい。月給制の場合、途中入社・退社があった場合、
   通常、日割り計算することになりますが、
   この日割り計算の方法について、法的に明確なルールはありません。
   就業規則に計算方法があれば、それ従うことになります。
   ただし、分母は、次の3つの方法のいずれかになります。 
   1ヵ月の所定内賃金  
   ―――――――――――――――  = 日割り額
   1ヵ月の所定労働日数
   (or 1年の平均所定労働日数 or 1ヵ月の歴日数)
   日割り計算の注意点としては、日割り額を控除する場合、
   労働者に不利とならないようにします。
   (具体的には端数を切り捨てます)