「労働保険料の年度更新から生産性分析ができる!?」20180527

先日、岡山県社会保険労務士会倉敷支部の年度更新業務の研修会へ参加しま
した。

なにしろ年1回の業務であり、また保険料率や計算方法の変更など法改正が
入っていることもありますので、社労士といえども研修会等に参加して、
知識のブラッシュアップに努めるようにしています。

年度更新とは、簡単にいうと

「前年度の仮払い労働保険料」を「精算」し、あわせて「来年度の労働保険料を
仮払い」することです。

※ちなみに労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称を指します。

労働保険料の計算はいたってシンプルで、年度中に支払った対象労働者へ支払った
賃金に保険料率を掛けて算出します。

その労働保険料の申告には申告書を使いますが、実はこの申告書から会社の現状を
簡単に読み取ることができます。

労働保険料の申告書の上側に使用労働者数を記入する箇所があります。

この人数で、その年度に対象労働者へ支払った賃金を割ると、その年度の1人あたりの
会社の平均賃金支給額がわかります。

労働保険料の申告に使う賃金には、残業代や交通費を含めていますので、総支給額を
元にした実質の賃金支給額がわかります。

また、労働保険料の集計時期(毎年4月~翌年3月まで)に対応する、会社の粗利が
わかれば(多少、決算期間とずれてもOKです)労働分配率がわかります。

労働分配率 =( 賃金(人件費) ÷ 粗利(付加価値))×100

で計算できます。

ざっくりですが、その結果を統計と比べることで自社の労働分配率が業界平均と比べ
どのような状況なのかがわかり、労働分配率から、会社の生産性分析ができます。

経済産業省 平成27年企業活動基本調査速報-平成26年度実績-

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kikatu/result-2/h27sokuho.html

付表7 産業別、1企業当たり付加価値額、付加価値率、労働分配率、労働生産性

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kikatu/result-2/h27sokuho/excel/h27fuhyo7.xls

労働分配率が低すぎる会社は、利益のわりに従業員の給与水準が低く、昇給やベース
アップの検討ができ、労働分配率が高い会社は、利益に対して人件費過多に陥って
いる可能性があることも分析できます。

労働保険料申告書を作成するために、多くの会社では賃金集計表を作成してられると思いますが、
賃金集計表からはさらに細かい分析ができます。
(それに関しては、また別の機会でご紹介できればと思います)

ぜひお試しください。